(ブルームバーグ): 7日の東京株式相場は反落。前日の大幅高で高値警戒感が台頭する中、新型ウイルスの感染拡大で企業業績への影響が懸念され、自動車や電機など輸出関連が安い。
〈きょうのポイント〉
岡三アセットマネジメントの前野達志シニアストラテジストは「新型ウイルスに対して漠然とリアクションしてきたマーケットが、経済への影響を落ち着いて考え始めた」と分析。昨日に今期利益計画を上方修正したトヨタ自動車も「ウイルスの影響は不透明。そうした状況を考えると日経平均が2万4000円を超えて上昇するのは厳しい」と述べた。
小高く始まった日本株相場は、横浜に停泊しているクルーズ船で新型ウイルスの感染者が大幅に増えたことが明らかになると売りに押され、TOPIXと日経平均は一時0.5%下落。アジア時間7日の米株価指数先物が小安く推移していることやアジア株が総じて安いことも、リスクテークに対して投資家を慎重にさせやすかった。
野村証券の佐藤雅彦エクイティ・マーケットアナリストは、来期業績の改善を織り込む形でこのところ株価は上昇してきたが、「新型ウイルスの影響もあって本当に業績が回復するかはまだ不透明。日経平均2万4000円のPERは14.5倍で昨年のレンジ上限を超えており、いったん戻り売りや短期筋の売り仕掛けが出ている」とみていた。
- 東証33業種は輸送用機器や電機といった輸出関連や、サービス、保険、食料品が下落
- ヘッジファンド運営会社エリオット・マネジメントが株式を取得したソフトバンクグループが大幅高となり情報・通信が上昇、医薬品や不動産も高い
記事についてのエディターへの問い合わせ先:今田素直 simada4@bloomberg.net, 浅井真樹子、上野英治郎
©2020 Bloomberg L.P.