日経平均は大幅に4日続落となった。
401.14円安の22025.05円(出来高概算7億7176万株)で前場の取引を終えた。
前日の米国株式市場では、連日の新型コロナウイルスによる懸念から株価が大きく下落するなかで自律反発狙いの買いが先行したが、次第に世界的な感染拡大を嫌気した売りに押されたことで、主要3指数はまちまちであった。
シカゴ日経225先物清算値は大阪比125円安の22205円。
この流れから本日の日経平均は売り先行スタートとなった。
前日の米国市場でナスダックやSOX指数は小幅に上昇したが、東京市場のハイテク株には波及しなかった。
値がさハイテク株が総じて弱含むなか、日経平均は寄付から下げ幅をじりじりと拡大させ、約4カ月ぶりに22000円を一時割り込んだ。
セクターでは、東証33業種が全て下落となるなか、とりわけ、空運業や証券・商品先物取引業、鉱業の下げが目立った。
売買代金上位銘柄では、ソフトバンクG (T:9984)、ソニー (T:6758)、トヨタ自動車 (T:7203)、ファーストリテ (T:9983)、三井住友 (T:8316)、任天堂 (T:7974)、SUMCO (T:3436)、東京エレクトロン (T:8035)、オリエンタルランド (T:4661)、武田薬 (T:4502)がさえない。
一方で、新型コロナウイルスの検出機器に対する期待感からキョーリンHD (T:4569)が6%高になった。
足元で新型肺炎の感染者としては、欧州・ギリシャや南米・ブラジルにも拡大しているほか、米国でも感染が広がりつつある状況で、世界経済減速に対する警戒感が本格的に強まっている。
本日は中国を除いたアジア株は総じて軟調推移となっており、東京市場でも海外短期筋による指数先物に対する断続的な売りに繋がっている。
これを受け、日経平均VI(ボラティリティー・インデックス)は、危険水準とされる節目の30ptを2018年12月以来約1年3ヶ月ぶりに突破した。
前日の当欄でも指摘した通り、リスク・パリティ戦略を取るファンドからの機械的な売りには警戒しておきたいところである。
年始からの期間でみた日経平均における価格帯別売買高において最も商いが集中している水準は23800円処、次いで23200円処となっており、現行の日経平均はこの水準から大きく下方に位置している。
レンジ下放れ後の押し目買いの動きも乏しいところを勘案すると、目先的なリバウンド力の弱さも意識される。
物色対象としても、巣ごもり消費やリモートワーク需要を取り込むことが期待される銘柄を除くと、ディフェンシブ銘柄に対する消去法的な商いに留まろう。
(雲宮祥士)