(ブルームバーグ):
●日本株は6日ぶり反発、内外金融政策への期待高まる-電機や内需高い
東京株式相場は6営業日ぶりに反発。新型ウイルスの感染拡大が続く中で米国など内外で金融政策が打ち出され、経済や株式需給を支えていくとの期待が高まった。電機や精密機器のほか、サービスや小売といった内需関連が高い。
富国生命投資顧問の奥本郷司社長は「新型ウイルスが一過性、季節的なものだとすれば、最終的に株価はまっとうな水準に戻る」とした上で、「日銀談話は従来の枠組みから逸脱していないが、株価の大幅下落を受けてどこかで買いたいと投資家が考える中では、下落を止めるきっかけになった」と述べた。
- 東証33業種ではサービスや小売、証券・商品先物取引、電機、不動産、精密機器が上昇
- 保険、電気・ガス、鉄鋼、銀行は下落
債券相場は下落。新型コロナウイルスの感染拡大への警戒感から買いが先行したものの、日本銀行の総裁談話公表と臨時の資金供給を好感して株式相場が反発したことで売りが優勢に転じた。
市場関係者の見方
SMBC日興証券の竹山聡一金利ストラテジスト
- 株式市場には日銀総裁談話と臨時の資金供給が効いたのかもしれない
- 日銀としては現在の金融緩和の枠組みの中で精いっぱいやれることはやるというニュアンスか
- 日銀が本当に利下げに踏み切るわけではないと債券市場は受け止めている
- 株が上がれば、ますます追加緩和の可能性は低下する
東京外国為替市場のドル・円相場は上昇。新型コロナウイルス感染拡大をめぐる米利下げ観測や中国景気指標の大幅な悪化を背景に約5カ月ぶりの安値を付けた後、日本銀行の黒田総裁による談話を受けて日本株が上昇に転じるとドル買い・円売りが優勢になった。
市場関係者の見方
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作チーフ為替ストラテジスト
- 新型コロナウイルスの米国などでの感染拡大や中国PMI(購買担当者指数)の大幅な悪化を背景にドル・円も売りが先行したが、日本株に買い戻しが入ったのを受けて下げが一服している
- 新型ウイルスは全員が被害者なので、米連邦準備制度理事会(FRB)が事実上の利下げ予告に踏み切り、日銀も総裁談話を発表したことで金融緩和方向の国際協調が意識されている面も
- 今週の注目は株価の行方。先週の大幅安から下げ止まりに転じればドル安・円高も一服するだろう。上げるか下げるかは新型ウイルスを巡るニュース次第だ
記事についてのエディターへの問い合わせ先:丸田不可志 fmaruta@bloomberg.net, 山中英典
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