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TOKAI Research Memo(5):M&Aに加え、顧客件数拡大と複数サービス契約率引き上げによる成長戦略は不変

発行済 2020-03-02 21:08
更新済 2020-03-02 21:21
© Reuters.  TOKAI Research Memo(5):M&Aに加え、顧客件数拡大と複数サービス契約率引き上げによる成長戦略は不変

■TOKAIホールディングス (T:3167)の今後の見通し2. 中期経営計画(IP20)の進捗状況2018年3月期よりスタートした中期経営計画「Innovation Plan 2020“JUMP”」では、基本戦略としてトップラインの成長を最優先に「守りの経営」から「攻めの経営」に転じることを打ち出した。

2021年3月までに顧客基盤の拡大につながるM&Aやアライアンスを積極的に推進し、また、デジタル化社会が進むなかで「ABCIR+S」戦略を推進していくことで成長を加速化し、経営ビジョンである「TLC」構想の実現を目指していく方針となっている。

経営数値目標としては、2021年3月期に連結売上高で3,393億円、営業利益で225億円、親会社株主に帰属する当期純利益で115億円を掲げている。

複数サービス契約率を前期末の17.8%から20.0%まで引き上げることで1顧客当たり収益を拡大していくほか、M&Aの積極推進により継続取引顧客件数を432万件以上に拡大することで目標の達成を目指している。

計画策定当初は4年間で総額1,000億円規模のM&Aを実行し、顧客件数の拡大を目指していたが、大型案件の締結までに時間がかかっており、2021年3月期の数値目標については先送りされる可能性がある。

とはいえ、顧客件数の着実な拡大と複数サービス契約率の引き上げに取り組むことで、2021年3月期も増収増益基調が続く見通しであることに変わりない。

なお、M&Aについては現在も40案件以上、ディール総額で1千億円超の交渉を進めている。

M&Aの対象としては、中核事業であるガス、CATV、情報及び通信サービス等で顧客基盤を持つ企業のほか、既存の生活関連サービスの周辺領域や新規事業分野となる。

同社では対象企業を十分精査したうえで、適正価格でM&Aを実行していく方針のため、成約までに時間を要していると見られるが、堅実なM&A戦略を遂行していることを評価したい。

なお、2019年10月に東京電力エナジーパートナー(株)と共同で、東海エリアにおいて都市ガス小売り事業を展開する合弁会社、T&Tエナジー(株)を設立した(出資比率50.0%)。

東京電力エナジーパートナーの強みである「ガス調達力を始めとした都市ガス小売り事業のノウハウ」と、同社の強みである「東海エリアの販売ネットワーク」を生かして、東海エリアにおける都市ガス小売事業(家庭用)を合弁会社のT&Tエナジーで展開していく計画で、2021年3月までに1万件の契約獲得を目標としている。

東海エリアでは東邦ガス (T:9533)、サーラコーポレーション (T:2734)が競合となるが、販売価格を3%程度低く抑え、同時に電気や情報通信、宅配水等のその他生活周辺サービスを提供していくことで顧客を獲得していく戦略となっており、2021年3月期以降の展開が注目される。

また、「ABCIR+S」戦略では、顧客基盤の拡大や競争力の強化、新サービス創出に向けて重要なプラットフォームとなるDMP※(Data Management Platform)「D-sapiens(ディーサ)」を構築したことを2019年10月末に発表している。

今後は「D-sapiens」に日々蓄積されるグループ顧客の情報をマーケティングデータベースとして一元管理し、AI技術により分析(顧客情報の掘り起こし→顧客行動予測→潜在的顧客の可視化)することで、顧客に対して最適なサービスを最適なタイミングで提案し、契約に結び付けていく、あるいは解約を防止していく取り組みを進めていく。

データの蓄積とシナリオ設計が必要となるため、まずはアクア事業において取り組みを進めていく予定にしている。

効果が出てくるのは早くても2021年3月期以降となりそうだが、「D-sapiens」の稼働によって、マーケティング費用の効率化と顧客件数の拡大、複数サービス契約率の上昇が期待できることになり、収益力の更なる向上が見込まれる。

※DMP:インターネット上の様々なサーバーに蓄積されるビッグデータや自社サイトのログデータなどを一元管理・分析し、最終的に広告配信などのアクションプランの最適化を実現するためのプラットフォーム。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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