(ブルームバーグ): 債券相場は下げ幅を縮小する展開。この日に実施された10年国債入札は弱い結果となり、一段と売られる場面があったものの、新型ウイルスによる景気悪化を食い止める金融政策が世界規模で打たれるとの観測が後退して株式相場が下落に転じたことが下支えした。
市場関係者の見方
岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト
- 主要7カ国(G7)財務相・中銀総裁は電話会議を控えて協調政策が期待されていったん金融市場の混乱に歯止めが掛かっていたが、当然、新型ウイルス問題がすぐに解決するわけではない
- しばらくは様子を見て行かざるを得ず、金利が大きく上がる展開は見込めない
- ある程度まで相場が下がれば、押し目買いが入りやすい
- 最低落札価格は101円84銭、市場予想101円97銭
- 投資家需要の強弱を反映する応札倍率は3.20倍と2016年8月以来の低水準、前回3.63倍
- 小さければ好調を示すテール(最低と平均落札価格の差)は14銭、前回2銭
- JPモルガン証券の山脇貴史債券調査部長
- 日本銀行の利下げが確定しているわけでもなく、利下げもスティープ(傾斜)化策とセットになる可能性があり、マイナス0.1%以下で積極的に買う動きがあまり見当たらなかったのだろう
- 備考:過去の10年債入札の結果一覧
- 結果は買い入れ予定額5000億円に対し、応札額1500億円。全取り・平均落札レートはマイナス0.10%
- パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長
- 2日連続の国債買い現先オペはまだ演出という感ある
- 日銀が本気でマイナス金利深掘りなどの緩和にかじを切る見方は少ない
- この日の東京株式相場は続伸して始まったが、その後は下げに転じ、日経平均株価は1.2%安の2万1082円73銭で終了
- G7声明草案は協調利下げへの言及なし-ロイター
--取材協力:Chikako Mogi.
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