[ブリュッセル 3日 ロイター] - 欧州航空会社の首脳は3日、新型コロナウイルス流行による経済的打撃について、航空業界は依然最悪期を脱していないとの認識を示した。同時に、数週間中にも旅行需要が落ち着きを見せる可能性があるとも予想した。
新型ウイルスの感染拡大によって旅行需要が落ち込む中、航空各社は航空便の運休や路線・便数の変更などを余儀なくされている。大手の独ルフトハンザ (DE:LHAG)はこれまでに短距離路線を25%減便している。
英LCCイージージェット (L:EZJ)のヨハン・ランドグレン最高経営責任者(CEO)は「とりわけイタリア北部への(旅行)需要が後退したが、影響は路線全体に波及した」と述べた。
英ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)の持ち株会社インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG) (L:ICAG)のウィリー・ウォルシュCEOも、過去数週間でイタリア市場への「需要の落ち込みは顕著」と指摘。しかし、アジアでの動向を踏まえ、数週間以内にも需要が安定化するとの見通しを示した。
欧州格安航空会社(LCC)最大手ライアンエア (I:RYA)のマイケル・オレアリーCEOは、今後数週間が山場になるとの認識を示しつつも、「極めて速いペースで通常の状態に回復する」と予想した。
ただ3首脳とも、新型ウイルス流行が成長を混乱させ、状況は改善する前に一段と悪化する可能性があるとの見解で一致した。
また、オレアリーCEOは4─5月の予約が10%減少する恐れがあり、四半期利益に「大きな影響」が及ぶとの見通しを示した。