[16日 ロイター] - 中国株式市場は大幅下落して終了。さえない国内統計や、米連邦準備理事会(FRB)による今月2回目の緊急利下げを受け、新型コロナウイルスの世界経済に対する影響が意識された。
外国人投資家は株式を引き続き売っている。中国本土と香港の株式相互取引経由で約90億元相当のA株を売却した。
香港株式市場はIT関連株を中心に全面安の展開となった。
ハンセンIT指数 (HSCIIT)は6.8%急落。中国の通信機器大手、中興通訊(ZTE) (HK:0763)は23%急落。米国が新たな贈賄疑惑で同社を捜査しているとの報道が嫌気された。
中国国家統計局が16日に発表した1─2月の鉱工業生産は前年同期比13.5%減少し、ロイターが集計を取り始めた1990年1月以来、30年ぶりの大幅なマイナスを記録した。新型コロナウイルスの影響が鮮明に表れた。
中国人民銀行(中銀)は、中期貸出制度(MLF)の1年物金利を据え置いた。
香港金融管理局(HKMA、中央銀行に相当)は、政策金利の基準金利を0.86%に引き下げた。FRBの緊急利下げを受けた措置。
本土の投資家は、割安感の出た香港株を引き続き購入。中国本土と香港の株式相互取引経由で75億元(10億7000万ドル)相当の香港株を購入した。
アンプル・ファイナンス・グループのディレクター、アレックス・ウォン氏は「我々は、他の地域よりも香港・中国が好ましいと考えている。過去数週間のポジション調整で米国への投資を減らし、中国への投資を増やしている」と述べた。
ソウル株式市場は4営業日続落して引けた。米連邦準備理事会(FRB)から緊急の金融緩和策が打ち出されたが、新型コロナウイルスをめぐる投資家の不安は払拭(ふっしょく)されなかった。中国の弱い経済指標も地合いを弱めた。
FRBは15日、政策金利を100ベーシスポイントを引き下げて実質的にゼロ金利にするとした。中国の1─2月期の鉱工業生産は30年ぶりの大幅なマイナスだった。
外国人投資家は6837億ウォン(約5億5618万ドル)相当の売り越し。
シドニー株式市場は1987年以来の大きな下げで終えた。米連邦準備理事会(FRB)による2度目の緊急利下げなど多くの景気刺激策が打ち出されているが、投資家らの間には新型コロナウイルスによる経済的影響を払拭(ふっしょく)するには至らないとの悲観論が広がっている。
S&P/ASX200指数は537ポイント(9.7%)安の5002.00で終了。取引終了直前に大量の売りが出た。
FRBは政策金利を1.00%引き下げ、実質的にゼロ金利とした。また数週間以内に少なくとも7000億ドルを新たに投じる量的緩和策を導入すると発表した。
しかし、感染拡大をめぐる投資家の動揺を和らげることはできず、S&P/ASX200指数ではプラス圏で終えたのは3銘柄にとどまった。
金融株指数 (AXEJ)は11.1%安で、04年以来の安値に下落。四大銀行はいずれも10%超安だった。
中国の1─2月期の鉱工業生産と貿易が大きな落ち込みだったことも下押し材料だった。
鉱業株指数 (AXMM)は7.3%安。 OLJPBUS Reuters Japan Online Report Business News 20200316T110028+0000