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デリカフHD Research Memo(6):2021年3月期業績見通しは未定、BtoC領域の開拓に取り組む

発行済 2020-06-19 16:36
更新済 2020-06-19 16:41
© Reuters.  デリカフHD Research Memo(6):2021年3月期業績見通しは未定、BtoC領域の開拓に取り組む

■今後の見通し1. 2021年3月期の見通し2021年3月期の業績見通しについては、新型コロナウイルス感染拡大の影響を現段階で合理的に算定することが困難なため未定としている。

デリカフーズホールディングス (T:3392)の主力市場とする外食・中食業界では、4月に入ってからの政府の緊急事態宣言発令により、休業あるいは時間短縮営業が本格化し、同社の売上状況にも大きな影響を与えている。

外食チェーンの4月の売上高は前年同月比で39.6%減と3月の17.3%減から減少幅がさらに拡大しており、同社も同様の動きになっていると見られる。

5月中旬以降は緊急事態宣言も解除され、経済活動が徐々に動き始めるなかで同社の売上高も回復し始めており、最悪期は脱したと見られるが、外食業界では感染防止対策の必要性から席間隔を空けて営業する店舗も多く、通常の営業体制に戻るまでにはしばらく時間を要するものと見られる。

こうした状況のなか、同社はBtoC領域の展開に取り組み始めている。

BtoC領域は競争が激しく利益率が低いことから従前は殆ど販売していなかったが、外食向けの売上が以前の水準まで回復する時期が見通しにくいなか、売上を一定水準確保するために、同領域での売上拡大に注力していくこととした。

なお、外食・中食業界向けについても悪い話ばかりではなく、2021年3月期は大手ファストフードチェーンとの取引シェアが拡大するほか、ファミリーレストランでも新規顧客の獲得などを進めている。

また、給食事業者からの需要も新型コロナウイルスの影響で増加している。

2020年4月には新たに福岡FSセンターが稼働を開始し、カット野菜や真空加熱野菜を量産していくことで今後の売上増加が見込まれる。

同センターではカット野菜製造ラインに異物除去装置を開発・導入したほか、野菜ごみの完全リサイクルシステムを構築、フードテロ対策として最新のセキュリティシステムも導入するなど同社グループのなかで最新鋭工場となる。

九州エリアは従来、年間規模で約20億円程度であったが、今回のFSセンター稼働によりカット野菜などの売上が伸長し、将来的には40億円程度まで売上を拡大できると見ている。

物流サービスについても営業体制を強化し、共同配送サービスの受注拡大を目指している。

費用面では、2020年春の新卒社員数が70名(前年は48名)と順調に採用できたため、人件費負担が重くなる可能性はあるが、臨時社員の採用を抑えることで調整していくものと思われる(2020年3月末の正社員数は536名、臨時社員は1,583名)。

また、物流事業でも4、5月は週5日体制(2日運休)にしてコスト抑制に取り組んでいる。

JA茨城を中心としたJAグループからの直接仕入額についても順次拡大中であり、仕入れコストの低減に取り組んでいく方針だ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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