[台北 22日 ロイター] - 台湾の国家発展委員会のクン明シン主任委員(閣僚)は22日、台湾積体電路製造(TSMC) (TW:2330)による中国のファーウェイ(華為科技)向けの販売について、米国の輸出制限で失われた分を他の顧客からの受注で補ったと明らかにした。
TSMCの顧客にはファーウェイ傘下の半導体メーカー「ハイシリコン」が含まれる。
TSMCは先月、米国に総工費120億ドルの半導体工場を建設すると発表。米政府はその直後、半導体輸出規制の修正案の概要を明らかにした。米国の技術を利用して海外で生産された半導体のファーウェイへの販売について認可を必要とする内容で、実際に修正されれば、TSMCはファーウェイとの取引が制限される。
クン明シン主任委員は、「米国は台湾に中国との関係全てを断絶するようには求めていない。ファーウェイを標的にしている」と記者団に述べた。
米国がファーウェイを標的にしている主な理由は、同社が透明性を欠いており、中国政府と過度に緊密な関係にあるからだと分析。
「TSMCについては、ファーウエイからの受注はもはやないが、速やかに穴埋めできている。他から必要とされているからだ」とした。
TSMCは取材に対し、顧客についてはコメントしないと応じた。
同社の会長は今月、ファーウェイへの販売ができなくなった場合でも、受注減を速やかに補うことが可能だとの認識を示した。