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クオールHD Research Memo(10):CMR派遣の成長に加えて、医療系人材紹介派遣事業の成長を加速化

発行済 2020-07-02 17:30
更新済 2020-07-02 17:41
© Reuters.  クオールHD Research Memo(10):CMR派遣の成長に加えて、医療系人材紹介派遣事業の成長を加速化
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■クオールホールディングス (T:3034)の中長期の成長戦略と進捗状況3. 医療関連事業の成長戦略と進捗状況医療関連事業の成長戦略として、BPO事業では「専門性の深化」、医薬品製造販売事業では「グループシナジーの最大化」を掲げ、それぞれ売上規模の拡大とともに収益力を高めていく方針となっている。

(1) BPO事業BPO事業ではCMR派遣の成長に加えて、需要が旺盛な薬剤師や看護師など医療系人材の紹介派遣事業を強化し、成長スピードを加速していく方針となっている。

(2) CSO事業CSO事業におけるCMRの市場動向は前述したように、新薬の主軸がプライマリー薬からスぺシャリティ薬にシフトしていることを背景に、製薬企業におけるMRの削減が今後も一段と進み、CMRに置き換わっていくものと予想されている。

現在、国内のMRのうちCMRの比率は5%程度にとどまるが、欧米市場では10~20%がCMRに置き換わっていることからすれば、日本でも早晩、10%程度の水準までCMRの比率が上昇してもおかしくない。

日本CSO協会の調査によれば、2019年2月時点の稼働CMR数は全体で3,300名強となっており、CMR比率が10%以上になるとすれば、これが5,000人を超える水準まで増加することになる。

こうした見通しから、同社はCMR人員を前期末の572名から、2022年3月末には1.7倍となる1,000名まで拡大し、業界シェアで20%の獲得を目標として掲げている。

このため、採用についても積極採用を進めていく方針だ。

同社のCSO事業の強みとして、MRを教育するためのスタッフが20名と業界トップクラスの陣容を誇り、基礎分野から高度な専門分野に至るまで幅広く充実した教育カリキュラムを構築していることが挙げられる。

特に、最近はオンコロジー領域など専門分野でのCMRの需要が高まっており、同社の強みがさらに発揮できるものと弊社では見ている。

一方、医療系人材の紹介派遣事業については、成長スピードを加速していくため、アポプラスステーションから分社化して新設したアポプラスキャリアにおいて、2020年10月から事業展開していく計画となっている。

慢性的な医療人材不足と働き方の多様化が進むなかで、薬剤師、看護師等の需要は今後も拡大していく見通しであり、同社ではグループ薬局への薬剤師派遣などシナジーを高めていくと同時に、営業体制を強化していくことで事業拡大を進めていく方針だ。

薬剤師の紹介派遣については、求人先の獲得はもちろんのこと、登録者数をいかに増やしていくことができるかが成長の鍵を握ると見られ、今後の施策に注目したい。

なお、薬剤師の紹介派遣については、調剤薬局事業者が営むなかでは第2位の規模にあり、薬剤師紹介派遣事業者全体でもトップ10に入る規模と見られる。

薬剤師以外の職種では看護師、保健師、登録販売者などの強化を図っている。

同業他社の多くは、年収が高く、事業の収益性も高くなる医師の紹介事業に注力するところも多いが、同社はそこには進出しない方針だ。

先発企業が強く、また参入企業の増加で競争が激化することを懸念したためと考えられる。

この選択は極めて合理的で妥当な判断だと弊社では考えている。

(3)医薬品製造販売事業同社が医薬品製造販売事業に進出を決めた背景には、総合ヘルスケアカンパニー構想がある。

国内トップクラスの調剤薬局チェーンの同社は、一方で、医薬品の営業担当者であるCMRの派遣(CSO事業)や、医薬品の研究開発をサポートするCRO事業なども行っている。

医薬品製造販売事業に進出することで研究開発から始まり製造、販売、調剤を経て患者に至る、ヘルスケア分野において切れ目ない充実したサービスを提供することが可能となる。

同社は中期的な業績目標として売上高3,000億円・営業利益250億円の目標を掲げているが、このうち、医薬品製造販売事業等の新規事業で売上高300億円・営業利益85億円を目標に掲げており、グループシナジーの最大化を図り、また、M&Aも活用することで目標達成を目指していく。

グループシナジーとしては前述のとおり、グループの調剤薬局で藤永製薬と製品についての販売拡充を進めていくほか、同社のネットワークを通じて製薬メーカーからの製造受託についても強化していく計画となっている。

現在、売上規模は20億円弱と見られ、目標を達成するためには能力増強のための設備投資も今後、いずれかの時点で必要になると見られ、その規模次第では利益圧迫要因となる可能性があるが、まずは現在の事業基盤を固めて成長トレンドを作っていくことが重要と考えられる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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