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CAICA Research Memo(8):クシム株式の売却やコロナ禍の影響を踏まえ、2020年10月期予想を減額修正

発行済 2020-07-22 15:18
更新済 2020-07-22 15:21
© Reuters.  CAICA Research Memo(8):クシム株式の売却やコロナ禍の影響を踏まえ、2020年10月期予想を減額修正

■業績見通し2020年10月期の連結業績についてCAICA (T:2315)は、クシムの連結除外等を踏まえ、期初予想から2回目の減額修正を行った。

修正後の業績予想として、売上高を前期比13.5%減の6,567百万円(期初予想からの修正幅はマイナス1,759百万円)、営業損失を109百万円(同マイナス478百万円)、経常損失を226百万円(同マイナス468百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益を146百万円(同プラス71百万円)と見込んでいる。

売上高は、ネクス・ソリューションズの売却による影響(9ヶ月分のマイナス)が減収要因となる見通しである。

さらに減額修正となったのは、上期業績の下振れやクシムの連結除外(第3四半期より)に加え、コロナ禍の影響(営業先の新規投資の見合わせ)を保守的に見積もったことが理由である。

利益面でも、販管費の削減に取り組むものの、減収による収益の下押しにより上期までの落ち込みをカバーしきれず、前期に引き続き営業損失となる見通しである。

各事業の通期業績見通しは以下のとおりである。

(1)情報サービス事業売上高は前期比32.0%減の4,945百万円、セグメント利益は同5.4%減の77百万円と見込んでいる。

大幅な減収となっているのは、ネクス・ソリューションズの売却によるものである。

また、既存案件は計画どおりに推移しているものの、コロナ禍の下で、新規顧客案件については投資の見合わせ等を保守的に見ているようだ。

一方で、新たに開始したテレワーク及び情報セキュリティ関連の案件については、引き合いが増えていることから一定水準の貢献を見込んでいる。

利益面では、収益性の改善に取り組むものの、減収による収益の下押しにより減益となる見通しである。

(2)暗号資産関連事業売上高は478百万円(前期は12百万円)、セグメント損失は23百万円(同310百万円の損失)と見込んでいる。

自社開発の「暗号資産交換所システム」の外販については、営業先の新規投資の見合わせ等が想定される一方、暗号資産交換所「Zaif」向けのシステム開発案件が増加傾向にあり、業績の伸びをけん引する想定となっている。

利益面では、引き続きセグメント損失となるものの、損失幅は大幅に縮小する見通しである。

(3)金融商品取引事業売上高は前期比11.4%増の510百万円、セグメント損失を139百万円(前期は266百万円の損失)と見込んでいる。

上期はトレーディング収益の悪化により大きく下振れたものの、足元の業績は回復傾向にあり、下期での巻き返しを目指す。

また、カバードワラントに代わる収益の柱として、暗号資産を原資産としたCFD取引や暗号資産に関する新商品の開発・販売に注力することで収益の拡大を図る方針である。

利益面でも、CFD取引のサービス開始に伴う先行費用などが予定されているものの、増収により損失幅の縮小を見込んでいる。

(4)HRテクノロジー事業クシムの連結除外(第3四半期より)に伴って、上期までの業績寄与にとどまる想定となっている。

弊社でも、同社の業績予想は、現時点で想定される材料を織り込んだ合理的な水準であると判断している。

コロナ禍の影響による投資見合わせの動き等は気になるものの、主力の金融機関向けが安定しているなかで、新たに開始したテレワーク向けソリューション「テレワーククイック」及び情報セキュリティ関連や注力するCFD取引などが順調に立ち上がってくれば上振れ要因となる可能性にも注意が必要であろう。

また、「暗号資産交換所システム」の外販については、2020年10月期中の成約は難しい状況となってきたものの、「Zaif」向けのシステム開発案件が拡大していることから、その分は十分にカバーできるものと見ている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)

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