[ロンドン 11日 ロイター] - 主要国の金融当局でつくる金融安定理事会(FSB)は11日、破綻した場合に世界の金融安定が脅かされかねない「世界的にシステム上重要な銀行」のリストを更新した。JPモルガン・チェース (N:JPM)は、自己資本の上乗せ水準が引き下げられ、世界で最もシステム上重要な銀行ではなくなった。
約10年前の世界金融危機時に銀行が公的資金で救済されたことを受け、規制当局は世界的にシステム上重要な銀行を毎年選出している。選出された銀行は重要度の区分に従って1─3.5%の追加的な自己資本の蓄積やリスク資産の抑制などの義務が課される。
JPモルガンはこれまで、リスク加重ベースで資産の2.5%の自己資本上乗せが義務付けられていた唯一の銀行だったが、今回、上乗せ幅が2%に引き下げられ、シティグループ (N:C)とHSBC (L:HSBA)と同じ区分に入った。
ゴールドマン・サックス (N:GS)とウェルズ・ファーゴは区分が1段階引き下げられ、自己資本の上乗せ幅が1.5%から最も低い1%に低下した。30行中19行がこの区分に入っている。
中国建設銀行は区分が1段階引き上げられ、自己資本上乗せ幅は1%から1.5%に上昇した。
資本要件の変更は2022年1月から。大半の銀行は要件を上回る資本バッファーを確保している。