[28日 ロイター] - 米ゲーム販売ゲームストップが28日の取引で一時約45%急落。序盤に上昇する場面もあったが、オンライン証券のロビンフッドやインタラクティブ・ブローカーズなどが同銘柄の取引を制限したことを背景に下げに転じた。
SNS(交流サイト)「レディット」のチャットルーム「WallStreetBets」で個人投資家にゲームストップ株購入を促す呼び掛けが広がったことで、ゲームストップはこの2週間ほどで1700%急騰した。
ロビンフッドはゲームストップのほか、今週に入って同様に跳ね上がっている米映画館チェーン大手AMCエンターテインメント・ホールディングスやカナダのソフト会社ブラックベリー、ステレオ・ヘッドフォン製造のコスなどの取引を制限した。
インタラクティブ・ブローカーズは、証券取引所や規制当局が何らかの対応をするまで「この状況が解消するとは確信していない」との認識を示した。
オンライン証券各社の対応を受け、ソーシャルメディア上ではウォールストリート(金融大手)の利益を守るためにメインストリート(実体経済)をないがしろにしているとの批判も高まっている。
個人投資家の買いを誘発したレディットのWallStreetBetsが27日遅く一時非公開となり、ゲームストップ、AMC、コス、ブラックベリーは軒並み時間外取引で下落。同チャットルームの影響力の強さが浮き彫りとなった。
しかし、こうしたソーシャルメディア主導の上昇は継続している模様で、米航空大手アメリカン航空は28日の取引で一時20%超上昇した。
キングスビュー・アセット・マネジメントのポートフォリオマネジャー、ポール・ノルテ氏は「ゲームストップ第2弾だ。空売り筋や空売りの好機を探っていた投資家の一角が株価を動かしている」との見方を示した。
また、カナダの銀生産会社ファースト・マジェスティックも30%超上昇。メキシコでの税金を巡る不正行為の刑事責任が免除されたとの報道を受けた。iシェアーズ・シルバー・トラスト上場投資信託(ETF)も上昇した。
WallStreetBetsには「ゲームストップを手掛けた後は、マクロ面のファンダメンタルズをけん引役にファースト・マジェスティックとiシェアーズ・シルバー・トラストETFに買い戻しが入るだろう」と投稿された。
規制当局の資料によると、ファースト・マジェスティックの1月前半の空売り比率は24.9%と12月後半の21.1%から上昇した。
フォルトゥナ・シルバー・マインズとフレスニーヨが10%高となったほか、パン・アメリカン・シルバー、エンデバー・シルバー、シルバーコープも上昇した。
ゲームストップなどの株価急騰を受け、規制強化を求める声が上がる中、証券取引委員会(SEC)のクレイトン委員長はCNBCに対し「空売りの監視では、米市場は最も透明性が高いと言えるだろう。しかし、常に改善の余地はある」と語った。
*内容を追加しました。