[ロンドン/フランクフルト 19日 ロイター] - ドイツ西部を中心に発生した大規模な洪水による被害の再保険の損失が20億─30億ドルに達する可能性があることが19日、ベレンベルクの試算で分かった。ただ銀行や業界関係者は、全体の損失はこれをはるかに上回る恐れがあるとしている。
14日から始まった洪水はドイツ西部のラインラント・プファルツ州とノルトライン・ウェストファーレン州、隣国ベルギー東部を襲い、停電や通信障害も発生。死者は18日までにドイツで157人、ベルギーで31人となった。
ベレンベルクは、ドイツのアリアンツ、フランスのAXA(アクサ)グループ、イタリアのゼネラリ、スイスのチューリッヒなど主要な欧州の保険会社が7月の洪水で大規模な保険金の支払いに直面すると予想。
保険金請求額はアリアンツが2億─3億ユーロ、AXAが1億─1億2000万ユーロ、ゼネラリが2億─2億5000万ユーロ、チューリッヒが1億4000万ドルになるとの試算を示した。
ベレンベルクは、ドイツでは洪水と大雨に対する保険が掛けられている建物は全体の約45%に過ぎないため、全般的な被害総額は試算をはるかに超える恐れがあるとしている。
ライプチヒにあるヘルムホルツ環境研究センターの研究者、ライムント・シュワルツェ氏は「ドイツ史上最悪の洪水被害になる恐れがある」とし、経済的な損失は60億ユーロ(50億8000万ドル)に達する可能性があると述べた。