モルガン・スタンレーのアナリストは木曜日の顧客向けメッセージで、ボーイング（BA）のケリー・オートバーグ新最高経営責任者の就任を評価する一方、同社は依然として大きな困難と不確実性に直面していると指摘した。
同アナリストは、新CEOの就任がボーイングのリーダーシップに関してより明確な方向性を示すと見ているが、ボーイング株のレーティングはイコールウェイトに据え置いた。
「ボーイングが直面する様々な課題や不確実性を考慮し、イコールウェイトのレーティングを据え置いた。
しかし、目標株価は180ドルから195ドルに引き上げた。この引き上げは、2027年のボーイングのフリー・キャッシュ・フローに対する期待リターンが高くなったことを反映したもので、この変更は、同社のリーダーシップに関する不確実性が低下したことに起因する。
モルガン・スタンレーは、航空宇宙業界で豊富な経験を持ち、以前はロックウェル・コリンズのCEOを務めていたケリー・オートバーグ氏がボーイングに安定性と専門知識をもたらすと期待している。
指導者の前向きな交代にもかかわらず、ボーイングは依然として重大な経営難に直面しているとしている。発表後、ボーイング社の株価は約2％の小幅上昇となったが、これはS&P500種株価指数の1.6％上昇をわずかに上回るパフォーマンスであった。
ボーイングの2024年のフリー・キャッシュ・フロー予想が、設備投資の増加と経営上の持続的な課題により大幅に減少したにもかかわらず、ボーイングの株価はこのように上昇した。
モルガン・スタンレーが更新したボーイングの2024年のフリー・キャッシュ・フロー予想は、現在83億ドルの赤字を見込んでおり、2024年第2四半期決算報告前の20億ドルの赤字という前回予想や27億ドルの赤字という市場コンセンサスから顕著に低下している。この削減幅は市場では過小評価されているようだが、予想より早く新CEOが発表されたことで、楽観的な見方も生まれている。
アナリストの観察によると、投資家心理は楽観的な方向に傾いており、ボーイングの現在の財務実績は高止まりしているというよりも、改善の可能性がある低水準にあると解釈している投資家もいる。
しかし、ボーイングの長期的な利益創出能力や、フリーキャッシュフローの定期的なパターン達成の遅れが続いていることについては、依然として懸念がある。
モルガン・スタンレーは、「悲観的な見方をする投資家は、ボーイングの長期的な収益維持能力、特にフリーキャッシュフローの定期的なパターンの達成が延期され続けていることを懸念している」と付け加えた。
また、2024年9月12日に期限切れを迎えるボーイングとIAM751労組との労働契約の先行きに関する不確実性が、さらなるリスクをもたらしているとも言及している。
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