[ストックホルム 2日 ロイター] - スウェーデンの希少疾患向け医薬品メーカー、スウェディッシュ・オーファン・バイオビトラム(SOBI)は2日、米プライベートエクイティ(PE)のアドベント・インターナショナルとシンガポール政府系投資会社GIC傘下の投資部門オーロラから、企業価値を約694億スウェーデンクローナ(80億ドル)と算定した買収提案を受けたと発表した。
1株当たり235クローナとなるこの買収提案ニュースを受け、SOBI株は24.6%高の239クローナを付けた。提案内容引き上げの可能性が反映された。SOBIによると、8月25日の終値から見たプレミアムは34.5%。
SOBIによると、株式の約36.45%と6.96%を保有するインベスターABとFjärde AP-Fondenは提案受け入れに同意。SOBI取締役会も全会一致で株主に提案受け入れ推奨を決めた。
一方、投資銀行Pareto Securitiesはブリーフィングで、買収提案額が低すぎると指摘。「われわれのモデルは1株当たり300クローナを大きく上回る潜在的価値を示している」とした。
SOBIは血友病、自己免疫疾患、代謝性疾患、がん支持療法向けの医薬品を販売。ダンスケ銀行が提案内容について「財務面からSOBIの株主にとって公正」と評価したと説明した。
SOBIは世界で約1500人を雇用。2020年の売上高は153億クローナ。医療対応が新型コロナウイルスに集中する中、自社医薬品に対する需要の低迷に見舞われている。
アドベントが買収を検討しているとするブルームバーグ報道を受け、SOBI株は8月26日に一時22%上昇した。