[2日 ロイター] - 米カリフォルニア州オークランドの連邦地裁判事は2日、アップルの音声人工知能(AI)「シリ」がユーザーのプライバシーを侵害しているとして提出されている集団訴訟で、同社は訴えのほぼ全てに向き合わなければならないとの考えを示した。
判事によると、原告らは「うっかりした起動」が原因でシリが日常的にプライベートな会話を録音していることや、これをアップルが広告業者などの第三者に暴露していることを証明しようとしている。
あるユーザーによると、医師と、メーカー名を上げて外科療法についてプライベートに会話した結果、その治療法を巡るターゲット広告を受け取るようになった。別の2人によると、スニーカー「エアジョーダン」や特定のブランドのサングラスなどについての自分たちの会話をきっかけに、そうした製品の広告が来るようになったという。
判事は、アップルが原告らの過失のせいだとしているが、プライベートで使う以上は、ユーザーがプライバシーの妥当な保護を期待するのは当たり前だと主張。原告らがアップルを連邦傍受法や州個人情報保護法の違反、および契約違反で訴えられるとした。
アップルと原告側の弁護士はいずれもコメント要請に返答していない。
同州の別の連邦地裁判事は7月1日、グーグルの音声AI「ボイスアシスタント」を巡り、今回のアップルの件に関わる弁護士事務所が代表するユーザーらについて、同様の訴訟をグーグルと親会社アルファベットに起こせるとの判断を示している。
アマゾン・ドット・コムも同社の音声AI「アレクサ」で同様の訴訟に直面している。