[パリ 6日 ロイター] - 映画「勝手にしやがれ」などで知られるフランスのスター俳優ジャンポール・ベルモンドさんが6日に死去した。88歳だった。仏映画界に新風を起こした「ヌーベルバーグ」運動の代表的存在として人気を博した。
1933年、パリ近郊のヌイイシュルセーヌに生まれ、パリの国立高等演劇学校で学んだ。ジャンリュック・ゴダール監督の「勝手にしやがれ」(1960年)ではチンピラ役を演じて世界的なスターダムにのし上がり、「気狂いピエロ」(1965年)などでも高い評価を得た。
その魅力は皮肉と繊細さ、温かみや無意識の安らぎが生み出す新しいロマンティックとされ、ヌーベルバーグの代表であるフランソワ・トリュフォー氏、アラン・レネ氏、ルイ・マル氏といった監督作品にも起用された。
自らスタントをこなすことも多かったベルモンドさんはその後、多くのコメディー映画やアクション映画に出演。ただ、芸術作品から商業作品に転向したことについて、才能を無駄にしたという批判も受けた。これについて、本人は「ある俳優が成功すると他人は、努力をせずリスクを取りたくないから楽な道を選んだ、と背を向ける」と反論した。
マクロン大統領はベルモンドさん死去を受け、フランスが「国の宝」を失ったとツイートした。
AFP通信などによると、代理人のミシェル・ゴデスト氏はベルモンドさんが自宅で亡くなったと明かし、「フランス中が悲しんでいるようだ」と語った。