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【注目銘柄】石塚硝子は下期業績悪、S市場選択の二重苦で大幅続落も悪目買い一考余地

発行済 2021-11-12 10:17
更新済 2021-11-12 10:35
© Reuters.  【注目銘柄】石塚硝子は下期業績悪、S市場選択の二重苦で大幅続落も悪目買い一考余地

 石塚硝子<5204>(東1)は11月12日、8営業日続落となっている。同社株は、今年10月25日に今2022年3月期業績を上方修正し、純利益が、大幅黒字転換して4期ぶりに過去最高を更新するが、第2四半期(2Q)までの上半期に比べ第3四半期(3Q)以降の下半期業績が大きく悪化すると見込んでおり、さらに来年4月スタートの東証の市場再編では、スタンダード(S)市場を選択すると発表、東証第1部から格下げとなることが二重苦となった。株価は、年初来高値2515円からこの日の安値2061円まで454円安と下げ一方で75日移動平均線をも下回ったが、PERは3倍台、PBRも0.37倍と下げ過ぎを示唆している。悪目買いも一考余地がありそうだ。

■原油・諸資材価格高騰が響くが通期純利益は4期ぶりに過去最高

 同社の今2022年3月期業績は、売り上げは期初予想通りの700億円(前期比7.8%増)としたが、営業利益を4億円、経常利益を6億円、純利益を5億円それぞれ引き上げ、営業利益25億円(前期比2.93倍)、経常利益25億円(同2.16倍)、純利益22億円(前期は30億2300万円の赤字)とV字回復を鮮明にする。新型コロナウイルス感染症の感染拡大の沈静化とともに市況が復調し、産業器材事業の今期2Q累計の売り上げが、調理用トッププレートの受注増を中心に前年同期比34%増となったのを筆頭に、ガラスびん事業、ハウスウェア事業、紙容器事業など全セグメントの売り上げが増加し稼働率が向上したことが寄与する。純利益は、前期にガラスびん事業の生産体制を2工場から1工場に集約、生産撤退となる姫路工場の固定資産に計上した減損損失36億4800万円が一巡し、今期は、東京の営業拠点売却の特別利益7億8500万円を計上することで大幅黒字転換し、4期ぶりに過去最高(16億6700万円・2018年3月期)を更新する。

 ただこの上方修正と同時発表の今期2Q(2021年4月~9月期)累計業績は、営業利益20億2400万円(前年同期比7.6倍)、経常利益21億8300万円(同7.6倍)、純利益19億2700万円(前年同期は9300万円の赤字)と大幅増益で着地しており、半期ベースで比較すると3Q以降の下半期は、上半期より大幅減益となる。原油価格や諸資材価格上昇を考慮して保守的に予想したもので、この動向が下半期業績のポイントとなる。なお2期ぶりに復配する年間配当48円(前期無配)はキープする。

■PERは3倍台と東証1部で15番目に割安でPBRも0.3倍

 株価は、今期第1四半期業績のV字回復で2200円台に乗せ、2Q決算発表を先取りして年初来高値2515円まで上値を伸ばしたが、異例の通期業績の上方修正とS市場選択がネガティブ・サプライズとなって大陰線を引いて2061円まで18%超安と急落した。PERは、3.92倍と東証1部低PERランキングの第15位にランクインし、PBRも、0.37倍と下げ過ぎを示唆しているだけに、悪目買いからまず年初来高値からの急落幅の3分の1戻し水準の2200円台へのリバウンドに動こう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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