[ジュネーブ/ダブリン 14日 ロイター] - 世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は14日、新型コロナウイルスワクチンが世界的に公平に分配されれば、追加接種(ブースター接種)がウイルスの感染拡大抑制で効果を発揮するという認識を示した。
テドロス事務局長は「重症化や死亡リスクの低いグループに追加接種を提供すれば、ワクチンの初回接種を待っている高リスクの人たちの命を危険にさらすことになる」と指摘。一方で、高リスクの人々へのワクチン提供を優先することで、多くの命を救うことが可能と強調した。
さらに、これまでに77カ国でオミクロン変異株が確認されたとした上で、「確認されていないだけで、大半の国に存在するというのが現実だろう。オミクロン株はこれまでの変異株では見られなかった速度で拡大している」と述べた。
また、オミクロン株感染が重症化につながらないという見方をけん制した。
WHOの緊急対応責任者であるマイク・ライアン氏は、オミクロン株の急速な感染ペースを踏まえると、現在の感染の波がピークに達するには「数週間」かかる見通しとした。
さらに、オミクロン株がいずれデルタ変異株に代わり、感染の主流になる公算が大きいと指摘。仮にオミクロン株感染による症状が軽度にとどまったとしても、感染者の急増が後数週間、入院者の増加を招く恐れがあり、医療体制を十分に整える必要があると述べた。