執筆:Yasin Ebrahim
Investing.com –木曜日にS&P 500種指数は低下。金曜日に雇用統計の発表を控え、金融株およびエネルギー株は上昇した一方で、ハイテク株が売られる展開となった。
S&P 500種指数は0.1%、ダウ工業株30種平均は170ポイント下がって0.47%とそれぞれ低下し、NASDAQも0.1%下落した。
ハイテク株は日中に一時反発したものの、一日を通してみると下落して引けた。旧Facebook (NASDAQ:FB)で知られる、Metaは2.0%以上上昇するなどハイテク株の中ではアウトパフォームした。
Apple (NASDAQ:AAPL)、Alphabet (NASDAQ:GOOGL)、Microsoft (NASDAQ:MSFT)はいずれも下落している。
水曜日に、12月に開催されたFOMCの議事録が公表されたが、インフレ率の高止まりに対処するため、想定よりも急速な金融緩和策の引き締めが起きるのではないかとの懸念感から、グロース株全体に先行き不透明感が高まり、ハイテク株を中心に売り圧力がかかる展開となった。
一方、現在のFRBメンバーの発言内容は12月に議論された内容と大きく変わっていないことは頭にいれておくべきだろう。
Jefferiesのアナリストは「FOMC議事録の内容は最新のドット・プロット、これまでの議論と首尾一貫したものである。新しい材料が出てきたわけではない」と話す。
景気敏感性の高いエネルギー株と金融株は引き続き上昇基調にある。
米国での原油価格が、1バレル80ドルと上昇したことでエネルギー株はその恩恵を受けている。しかし、オミクロン株の感染拡大によって需要が抑制されるとみられるなか、Commerzbankによると供給は、「石油戦略備蓄の放出の影響を受けて」2022年第1四半期に増加すると予想されている。
銀行株を中心とする金融セクターの株は長期金利の上昇を背景に値上がりをみせている。FRBによる早期の金融引き締め懸念を受けて米国10年債利回りは過去52週間の高水準にある。
Signature Bank (NASDAQ:SBNY)、SVB Financial (NASDAQ:SIVB)、そしてPeople’s United Financial (NASDAQ:PBCT)は特に大きく値上がりした。
1月14日には JPMorganとCitigroupが四半期決算を発表する予定となっているが、銀行株は今後数週間は引き続き投資家の関心の的となるだろう。
経済指標ではサービス業の活動は市場予想よりも軟調な結果となり、1月1日までの週における新規失業保険申請件数も207,000件と予想よりも多かった。
しかし、市場参加者は引き続き経済回復が続くとみている。特に労働市場の改善期待は大きく、軟調な11月のあと、12月の雇用者数は回復に転じると予想されている。
エコノミストの予想では12月の就労件数は、求職者数の回復を受けて全米で400,000件に及ぶとみられている。
モルガン・スタンレーのアナリストは、雇用統計の発表を控え、「12月の労働参加率は61.8%から61.9%に改善するだろう。求職者が増えたことで、12月の失業率は4.2%に留まるとみている」と話す。
その他のニュースとしては、Bed Bath & Beyond (NASDAQ:BBBY)は第3四半期の企業決算にて売上および最終収益がいずれも市場予想を下回り、サプライ・チェーンの停滞も依然としてい続いているにもかかわらず、8%株価は上昇した。