[モスクワ 2日 ロイター] - ドイツのパイプライン管理会社ガスケードのデータによると、ロシア産天然ガスを欧州に輸送するパイプライン「ヤマル・ヨーロッパ」の流れが2日午前、わずかながら通常の西向きに変わったが、1時間後には流れが止まった。
12月は東向きに「逆流」し、欧州の天然ガス価格が高騰していた。ウクライナ情勢が緊迫する中、ロシアのコモディティー輸出に注目が集まっている。
西向きの流量は一時1万6318キロワット時に達したが、一時間後にはゼロになった。東向きへの流れも確認されていない。
ロシアのガス供給会社ガスプロムは1日、1620万キロワット時の輸出能力を入札で予約した。
市場では、12月以降初めて西向きにガスが供給されるとの期待が浮上していたが、西向きの流れが止まったことを受けて、ガス価格が上昇。
オランダの翌日渡しガス価格は1.15ユーロ上昇し、1メガワット時当たり77.05ユーロとなった。
西側諸国はロシアが意図的にガスの供給を抑制し、価格を吊り上げようとしていると批判。ドイツとロシアを結ぶガスパイプライン「ノルドストリーム2」の承認をドイツ当局に迫る狙いもあると主張しているが、ロシア側はそうした見方を否定している。