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東京外為市場・正午=ドル一時103円台、もう一段の上昇はイベント待ちか

発行済 2014-08-21 11:39
東京外為市場・正午=ドル一時103円台、もう一段の上昇はイベント待ちか
[東京 20日 ロイター] -    
         ドル/円 JPY=   ユーロ/ドル EUR=   ユーロ/円 EURJPY=
 正午現在   102.94/96  1.3308/12  137.00/04
 午前9時現在 102.93/95  1.3318/22  137.09/13
 NY午後5時 102.91/92  1.3320/21  137.04/08

正午のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点とほぼ変わらずの102円後
半。日経平均株価が小高く始まると103円台を試したが、しっかり大台に定着させるこ
とはできなかった。もう一段の上昇はイベントのタイミングになるとの見方も出ている。

前日海外時間は、7月の米住宅関連指標が市場予想を上回ったことをきっかけにドル
買い優勢の展開となった。米国株の堅調推移や米長期金利の持ち直しなどで、ドル/円は
じりじり上昇。102.90円台で東京時間を迎えた。

7月の貿易収支が市場予測を上回る赤字となり、日経平均が小幅高で始まると、ドル
/円は一時103.00円まで上昇した。その後、売り買いが交錯する中、何度か103
円ちょうどをつけたが、株価の上げ幅縮小に合わせて小幅に下落した。

市場からは「102円台はオーダーもなく軽いゾーンだったのでここまで上がってき
たが、103円台はオファーも入ってきているので簡単ではない」(邦銀)といった指摘
のほか、「FOMC議事要旨やイエレンFRB議長のジャクソンホールでの講演などを控
えて、ここから大きくポジションを傾けていく感じではない」(あおぞら銀行の為替マー
ケットメイク課長、諸我晃氏)との声が聞かれた。

<貿易収支は予想上回る赤字>

市場では4─6月期に落ち込んだ実質国内総生産(GDP)が7─9月期にどこまで
回復してくるか注目されており、朝方の貿易収支で今後の輸出の動向を確認したいとする
向きもあった。

財務省が発表した7月貿易統計速報によると、貿易収支(原数値)は9640億円の
赤字で、ロイターがまとめた市場予想(7025億円の赤字)に比べて赤字幅が大きかっ
た。

輸出は前年比3.9%増の6兆1886億円で3カ月ぶりに増加。地域別では、米国
向けが同2.1%増、中国向けは同2.6%増だった。一方、輸入は同2.3%増の7兆
1526億円で2カ月連続で増加した。

今後の焦点は、欧州向け輸出の動向だとの指摘もある。ニッセイ基礎研究所のシニア
エコノミスト、上野剛志氏は「ウクライナでの地政学的リスクの関係で欧州経済自体が悪
くなってきている。欧州が低調になれば中国経済が悪影響を受け、ひいてはアジア経済に
も影響が及びかねない。経済情勢の下振れリスクが高まっている可能性があり、今後の輸
出の重しになるかもしれない」と話す。

<ユーロ/ドルは下落>

ユーロ/ドルは朝方から1.3320ドル付近で小動きとなっていたが、正午にかけ
て弱含み、1.3309ドル付近まで下落した。ユーロ圏の景気減速懸念が強まっている
中、米国の指標が改善し欧米間の景況感の格差が意識されているという。

前日海外時間、ユーロ/ドルはストップロスを巻き込む形で一時1.3313ドルま
で下落し、約9カ月半ぶりの安値をつけた。市場では「ユーロのショートが積み上がって
いる分、少しショートカバーが恐いが、きょう、明日あたり1.33ドルちょうどのオプ
ションバリアにトライする動きが出てくるかもしれない」(国内金融機関)との声もあっ
た。


(杉山健太郎)
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