[東京 3日 ロイター] - 日本航空(JAL)とANAホールディングス傘下の全日本空輸(ANA)は3日、4日に予定している欧州便の一部について、ロシア上空を避ける飛行ルートに変更して運航すると明らかにした。ロシアのウクライナ侵攻を受けてロシア上空を通過する欧州線の欠航が相次ぐ中、安全運航を担保した上で空の移動手段としての使命を果たす、としている。
ANAは成田ーブリュッセル線の1往復をロシア上空を迂回して中央アジア上空を通るルートに変更。JALは羽田ーロンドン線の1往復を米国アラスカ上空を通る北回りのルートに変更する。
ANAの中央アジアルートは主に中国、アゼルバイジャン、トルコ、ルーマニア、オーストリアなどの各国上空を通過する。成田発を旅客便、ブリュッセル発を貨物便として運航する。
ルート変更によりフライト時間は約12時間から15時間半と3時間長くなる。旅客や新型コロナウイルスのワクチンなどを輸送する必要があり、需要に応える。5日も成田ーブリュッセル線の1往復は中央アジア上空を通過するルートを利用して運航することを決めた。
JALのルート変更では米国アラスカ州、グリーンランド、アイスランドの上空を飛び、フライト時間は約3時間ほど長くなる。羽田ーロンドン線は旅客便で計137人の予約が入っている。旅客のほか、医療物資、部品、ワインなどの輸送が可能になる。
<欧州路線の多くは欠航>
ANAは3日の欧州線8便を欠航。4日も、ルート変更する成田ーブリュッセル線以外の欧州線計8便を欠航とした。4日の8便欠航による影響旅客数は計約360人。5日も欧州線8便(旅客・貨物各4便)を欠航とする予定だ。
JALも3日の欧州線8便を欠航し、旅客数257人に影響が出た。4日は、ルート変更する羽田ーロンドン線1往復を除く欧州線計8便(旅客6便、貨物2便)を欠航とする。影響旅客数は237人。