[東京 3日 ロイター] - 国際協力銀行の前田匡史総裁は3日の定例会見で、ロシアによるウクライナ侵攻を受け、エネルギー分野を中心とするロシアとの共同事業を「このまま同じように続けることはあり得ない」と述べ、見直しは不可避との見方を示した。国際経協力銀も、ロシアでのプロジェクトへの融資について確認作業を進めていることを明らかにした。
前田総裁は安倍晋三政権が手掛けた8項目の経済協力プランについて「非常に画期的だった」と述べた上で、「(ロシアは)そういうもろもろの努力をちゃぶ台返しするような暴挙にでた」と批判。「エネルギー安全保障は重要だが、今ウクライナで起きているのは通常(の状況)を超えた」とし、「日本だけが何もなかったかのように振る舞うのは違う」と強調した。
国際協力銀は、極東ロシアの石油・天然ガス開発事業「サハリン1」や「サハリン2」の開発に融資していた。英シェルがサハリン2からの撤退を発表したが、前田総裁は、事業に出資している三井物産や三菱商事がどのような対応を取るかは把握していないとした。
国際協力銀は昨年12月、北極圏の液化天然ガス(LNG)事業「アークティックLNG2」への融資を発表した。前田総裁は、ロシアが制裁に対抗措置を取る可能性があるため、いったん融資を止め確認作業をしていると説明した。