[東京 21日 ロイター] - 大樹生命保険は2022年度の一般勘定資産運用計画で、為替をヘッジしないオープン外債を数百億円程度増やす方針を示した。一方、ヘッジ外債の残高を数百億円程度減らす。国内債券は、超長期債を中心とした積み増しを継続するが、全体としては横ばいの見通し。
運用統括部長の西村寿夫氏が21日、ロイターとのインタビューで述べた。
オープン外債は、21年度は1000億円程度の増加となり、今年度は数百億円程度の積み増しを計画している。外貨建て保険の販売動向に応じて変動する可能性もあるが、現状では資金流入超となっているという。
為替ヘッジ付外債は前年度に800億円程度減らしたのに続いて、今年度も数百億円程度の圧縮を計画している。ただ、償還資金の一部から社債などクレジット投資は積み上げていく。通貨配分は、米国が2割、欧州が7割、残りをオーストラリアが占めている。
ドル/円の年度末予想レンジは128―140円(中心は134円)。欧米と日本の金融政策の違いや日本の貿易赤字拡大への懸念で「予測を上回るペースで円安が進んでいる」(西村氏)としている。
国内債券は超長期債中心に積み増す計画だが、全体としては残高は横ばいを見込む。前年度は国内債全体で500億円程度の増加、超長期債は約1800億円程度積み増した。ここ数年は「穏やかな金利上昇を背景に、計画的に超長期債を積み上げている」という。
新規成長領域への投資は増加を見込み、プライベートエクイティやダイレクトレンディングなどを中心に増やす。ESG投融資は、21年度は200億円程度積み増した。
国内株、不動産の残高は横ばい、貸付は数百億円程度の縮小を計画している。昨年度は国内株は横ばいだったが、不動産は減少した。
2022年度末の市場見通し(レンジと中心)は以下の通り。▼はマイナス。
日本国債10年物利回り ▼0.25―0.25%(中心0.125%)
米10年債利回り 2.40─3.20%(同2.80%)
日経平均 2万4000─3万0000円(同2万7000円)
米ダウ 3万4000─3万9000ドル(同3万6500ドル)
ドル/円 128―140円(同134円)
ユーロ/円 132―146円(同139円)
(浜田寛子 編集:田中志保)