[東京 26日 ロイター] - キヤノンは26日、2022年12月期の連結営業利益予想(米国会計基準)を3600億円へ引き上げると発表した。印刷、半導体関連などで需要が堅調なほか、円安が追い風となる。記者会見した御手洗冨士夫会長は、円安は業績に「非常に大きなプラスとなっている」と述べた。
御手洗会長は、第1・四半期は部品の調達難などがあったものの、結果には「満足」と評価。円安の追い風に対し、生産遅延や部材高といった「マイナス面が非常に激しく動いている」が、通期計画は「これなら落ち込んでもいけるだろうという予算」だと説明した。
増配の可能性にも言及し、上期終了時点で「決算に満足できれば、是非やりたいと思っている」と述べた。
田中稔三最高財務責任者(CFO)によると、オフィスで印刷需要が回復しつつあること、半導体基板に回路パターンを焼き付ける露光装置の需要が根強いこと、部品不足が次第に解消する見通しであることなどが上方修正の要因だという。
<御手洗会長「円安あっても円高はない」>
御手洗会長によると、現在の円相場の水準で期末を迎えれば売上高は4兆円超、純利益2800億円(計画は2520億円)程度に膨らむと試算している。
想定レートは米ドルを112円から120円へ変更した一方、ユーロは130円で据え置いた。いずれも現行水準よりかなり円高だが、これは売上高や経費の計画を先に策定し、その上でレートを算出したためだと説明。「将来の円高を予測しているわけではない。私自身は、円安がさらに進行することがあっても、円高になることはないと思っている」と話した。
同社によると、円相場が1円変動すると、売上高は対ドルで94億円、対ユーロで47億円変動する。営業利益はドルが32億円、ユーロが23億円。
(基太村真司)
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