執筆:Liz Moyer
Investing.com -- 米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ抑制に向けてより積極的な姿勢を示し、基準金利を75bps引き上げ、さらなる利上げを示唆したことを受け、株式市場には安心感が広がり上昇をみせた。
FRBの決定を前に、株式市場はここ数日、揺れ動いていた。投資家は、FRBがあまりに積極的に行動するため、景気が後退してしまうのではないかと懸念していた。しかし、ここ数日、予想以上の利上げの機運が高まり始めた。
FRBは、これまで十分に迅速に行動していなかったことを認めた後、インフレ抑制に向けてより積極的な行動を取るようにしている。投資家がよりリスクの高い資産を手放す中、金利上昇の恐怖からハイテク・セクターは混乱に陥っていた。いくつかのハイテク企業は、景気減速に備え、人員削減や雇用凍結の計画を発表している。
大企業の決算シーズンは今後数週間で再び本格化し、アナリストは需要、供給、コストに関する経営陣の発言に耳を傾けることになる。すでにS&Pの数社が見通しを下方修正し、材料費や人件費の上昇による利益率への圧迫を警告している。
住宅ローン金利が6%近くに上昇し、在庫が少ないために住宅価格が高止まりしていることから、購入希望者が手を引いているため、住宅セクターの減速も進んでいる。
木曜日には、住宅や失業率の動向に関するデータのほか、食料品大手クローガーの決算発表が予定されている。
明日のマーケットに影響を与える可能性のある3つの事柄を紹介する。
1. 住宅着工件数
中古住宅販売と並んで、住宅着工件数の動向も低下基調になっている。アナリストは、5月の住宅着工件数が4月の172.4万件から170万件程度になると予想している。米国時間午前8時30分に発表される。
2. 新規失業保険申請件数
先週の新規新規失業保険申請件数は、米国東部時間午前8時30分に発表される予定だ。アナリストは、前週の22万9000件から、21万5000件への低下を予想している。
3. Krogerの決算発表
食料品の価格は高騰しており、燃料費の高騰とも折り合いをつけようと、家計を直撃している。クローガー・カンパニー(NYSE:KR)は、売上438億ドル、1株あたり利益1.29ドルを報告すると予想される。アナリストは、労働コストとサプライ・チェーンについて何を言うかに注目している。