[ルクセンブルク 16日 ロイター] - 16日のユーロ圏財務相会合(ユーログループ)に出席した欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は、ECBが域内国債利回り格差の抑制策を検討する根拠を説明したが、導入の時期や方法に関して細部には踏み込まなかった。関係筋が明らかにした。
ECBは15日に臨時会合を開催し、国債利回りの格差拡大によるユーロ圏市場の分断を防ぐ措置を検討すると表明した。
2人の当局者によると、ラガルド氏は会合で、新たな措置は利回り格差の解消ではなく正常化を目指していると説明。利回り差が一定の基準以上に拡大した場合に発動される可能性も指摘したが、具体的な数字を出すことはしなかったという。
当局者らは、利回り差が短期間に急速に拡大した場合にも新た措置が用いられる可能性があると述べた。
ユーログループのドナフー議長(アイルランド財務相)は、この日の会合では新たな措置の付帯条件に関する議論は行わなかったと述べた。
当局者の1人によると、ラガルド氏は出席者に対し、域内の分断化は「深刻な」リスクであり、対処する必要があると述べた。また、ECBのコミットメントが疑問視されるようなことがあってはならないと警告した。
同関係者によると、総裁は分断化リスクはECBの物価安定義務に対する深刻な脅威だと発言。「ユーロ圏全体で金融政策を実施するため、分断化のリスクに対処しなければならない」とした。