[クアラルンプール 6日 ロイター] - マレーシア国立銀行(中央銀行)は6日、政策金利を25ベーシスポイント(bp)引き上げ2.25%とした。インフレ率を抑制し、自国通貨を押し上げるため、2会合連続で利上げを決定した。
ロイター調査ではエコノミスト22人全員が25bpの利上げを予想していた。
マレーシア中銀は5月の前回会合で、政策金利を過去最低水準の1.75%から引き上げた。2会合連続での利上げは約10年ぶり。
中銀は一段の調整を決定した理由として、内需の強さや国境再開後の観光業の回復など、国内経済の「前向きな成長見通し」を指摘。
一方「予想を下回る世界経済の成長、地政学的緊張の一段の激化、供給網の混乱悪化に伴い、成長への下振れリスクは残る」とした。
2022年の消費者物価上昇率については、前年比2.2─3.3%というこれまでの予想レンジの範囲内にとどまると見込んだ。ただ、比較対象となる前年の電力価格が低かった影響で、インフレ率が上振れする月があるかもしれないとした。
中銀は、金利のさらなる調整は慎重かつ緩やかなペースで行うとの方針を示した。ロイター調査では、半数より若干多いエコノミストが9月の追加利上げを予想。残りは金利据え置きを予想した。
OCBCのエコノミスト、ウェリアン・ウィラント氏は、中銀の慎重なアプローチについて、インフレと世界的なリセッション(景気後退)リスクへの目配りのバランスが妥当だと指摘。
「より大幅な50bpの利上げに踏み切らなかったことは、引き締めに用心深く臨もうとする姿勢を示している」とした上で、年内に少なくともあと1回の利上げを予想していると述べた。
「引き締めというよりも、政策金利の一段の正常化ととらえられる」と語った。
キャピタル・エコノミクスのアジア担当シニアエコノミスト、ガレス・レザー氏は、最近のコアインフレ率の上昇を理由に、年内に25bpの利上げがあと2回行われると予想している。
マレーシア経済は新型コロナウイルス流行の影響から力強く回復したが、コモディティー(商品)価格の下落が見込まれる中、成長率は向こう数カ月に鈍化する見通しとした。