[シドニー 7日 ロイター] - オーストラリア連邦統計局が7日発表した5月の貿易収支は159億6500万豪ドルの黒字となり、黒字額は過去最大を更新した。市場予想の107億2500万豪ドルを大幅に上回った。
輸出は9.5%増加し、過去最高の584億豪ドル。石炭と液化天然ガス(LNG)の輸出急増が全体を押し上げた。エネルギー需要が世界的に高まった。
輸入は5.8%増の424億豪ドル。ガソリン高や自動車輸入の増加がけん引した。内需の力強さが浮き彫りとなった。
4月の貿易黒字も135億豪ドルと、大幅に上方修正された。
輸出は価格の上昇と数量の拡大を背景に増加した。純輸出は4─6月の国内総生産(GDP)に大きく寄与するとみられている。
キャピタル・エコノミクスのシニアエコノミスト、マーセル・ティエリアント氏は、純輸出の寄与度が最大2.0%ポイントと、過去有数の水準になるとの見方を示した。
これを受け、市場では豪準備銀行(RBA)の利上げ観測が強まるとみられる。市場は8月の50ベーシスポイント(bp)利上げを織り込みつつあり、年末の政策金利が少なくとも3.0%に達すると予想している。
5月の石炭の輸出額は20%増の147億豪ドル。主にベトナム、韓国、台湾への一般炭輸出が増えた。
一般炭の価格も急上昇。電力会社の需要が拡大したほか、ウクライナ戦争で欧州のエネルギー生産が混乱したことが背景。