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コスモスイニシア Research Memo(8):中長期的には宿泊事業の回復も再成長をけん引

発行済 2022-07-15 15:18
更新済 2022-07-15 15:30
© Reuters.
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■コスモスイニシア (TYO:8844)の業績動向

3. 事業別の業績動向
2022年3月期は、レジデンシャル事業のリノベーションマンション販売とソリューション事業の収益不動産等販売が利益をけん引したが、2023年3月期は、回復への最終局面となる宿泊事業以外、各事業がしっかり利益貢献していく動きになると予想される。
コロナ禍からの回復には2023年3月期いっぱいかかる見込みだが、中長期的に、新築マンション販売を基軸にリノベーションマンションと収益不動産等販売、宿泊事業の回復が収益をけん引していく姿がイメージされる。


(1) レジデンシャル事業
2022年3月期の業績は売上高41,844百万円(前期比2.8%増)、営業利益1,822百万円(同37.9%増)と増収増益となった。
引渡数について、新築マンションは前期並み、リノベーションマンションは前期比約1.5倍となった。
一方売上総利益率は新築マンションが上昇、リノベーションマンションが低下したが、売上総利益額の点ではいずれも増益寄与した。
なお、新築マンションの完成在庫が増加したが、これはコロナ禍の影響でアクティブシニア向け分譲マンションが販売遅延となったことが要因である。
2023年3月期の業績見通しについて、同社は売上高49,000百万円(同17.1%増)、営業利益2,800百万円(同53.7%増)と増収大幅増益を見込んでいる。
引渡数は新築マンション、リノベーションマンションともに微減を見ているが、全体の売上総利益率の改善とオーストラリアでの分譲住宅開発の引き渡しが計画されていることから、2ケタの増収増益見込みとなっている。


前期の実績として、内装カラーやインテリアなどにトレンドと顧客ニーズを取り入れた新たな3つの住空間スタイル—GRACE style(グレイス・スタイル)、MODEST style(モデスト・スタイル)、MELLOW style(メロウ・スタイル)を導入した。
また、中長期的に成長期待の大きいアクティブシニア向け分譲マンション「イニシアグラン札幌イースト」を竣工し入居を開始した。
アクティブシニア向け分譲マンションは、福井県、福岡県、大分県など複数の街地再開発事業でのプロジェクトが進行中である。
風や光を効率的に取り込むパッシブデザインを採用した新築一戸建「イニシアフォーラム尾山台」や、大人二人世帯向けリノベーションマンション「センチュリー中野南台」など、暮らしの変化とニーズの多様化に対応した商品の開発も進めた。


(2) ソリューション事業
2022年3月期の業績は、売上高50,477百万円(前期比3.6%減)、営業利益5,580百万円(同7.9%増)と減収増益だった。
収益不動産等販売(うち一棟物件)の引き渡しが減ったことが減収要因で、収益不動産等販売(一棟物件)の売上総利益率の改善と不動産賃貸管理・運営住宅(サブリース)の空室率の改善が増益要因となった。
2023年3月期の業績見通しについて、同社は売上高51,800百万円(同2.6%増)、営業利益4,400万円(同21.1%減)と増収減益を見込んでいる。
収益不動産等販売(一棟物件)の引渡数増加により増収が見込まれるが、前期にあった高採算物件の反動などにより売上総利益率が低下することが減益を見込む要因である。


前期に稼働した代表的な物件として、プライベートな空間を維持しながら入居者同士のゆるやかなつながりを生むシェアレジデンス「nears川崎」を竣工し入居を開始した。
働き方やライフスタイルの「多様性」と建物の「機能性」・「快適性」を追求した、中規模の新築オフィス・商業ビルの新ブランド「cross-c bldg.(クロスシービル)」を開発、なかでも環境に配慮したオフィス空間が評価された「クロスシー東日本橋ビル」が環境省の定める「ZEB Ready※」を取得した。
ほかに、新築ビル1棟丸ごとをレンタルオフィスとして運営する『MID POINT渋谷神泉』を開業、共同出資型不動産「セレサージュ目黒イースト」と「セレサージュ目黒ウェスト」の販売を開始した。


※ZEB Ready(Net Zero Energy Building Ready):「ZEB」は、優れた省エネ・創エネ技術によって年間の1次エネルギー消費量をゼロもしくはマイナスにできる建築に対する、経産省による評価の1つ。
「ZEB Ready」は再生可能エネルギーを除き、基準1次エネルギー消費量から50%以上の1次エネルギー消費量を削減した建物。



(3) 宿泊事業
2022年3月期の業績は、売上高6,356百万円(前期比971.8%増)、営業損失2,061百万円(同956百万円増益)と厳しい業績だった。
年間を通してコロナ禍の影響でホテル施設運営が低迷したものの、ホテル施設販売の引き渡しがあったことなどにより大幅な増収となった。
2023年3月期の業績見通しについて、同社は売上高11,200百万円(同76.2%増)、営業損失2,000百万円(同61百万円増益)を見込んでいる。
コロナ禍の収束が進んで2023年4月にはコロナ禍以前の稼働水準に近づくとの前提で、ホテル施設運営では稼働の回復と平均客単価の改善、未開業施設すべての開業を見込んでいる。
また、ホテル施設販売ではホテル施設の引渡数の増加を計画している。
このため大幅増収予想だが、ホテルの新規開業に伴う費用の増加などにより営業利益は横ばい圏を見込んでいる。


なお、2022年3月期末には開業前9施設545室、開業済19施設925室(うち休業中2施設132室)、2023年3月期末には未開業施設をすべて開業し、開業済28施設1,470室(うち休業中1施設36室)の見込みとなっている。
前期に開業した代表的な宿泊施設として、アパートメントホテルの新シリーズ「MIMARU SUITES(ミマルスイート)京都四条」を開業、京都の目利きが集めた暮らしの道具を客室で自由に使える新サービスを提供した。
また、東京・京都・大阪の「MIMARU」でライフスタイルショップとコラボレーションしたコンセプトルームでの宿泊体験や、家族・友人とパーティーやキッチンでの料理が楽しめるプランを用意するなど、多様な過ごし方を提案した。


(4) 工事事業
2022年3月期の業績は、売上高9,459百万円(前期比32.8%減)、営業利益73百万円(同90.1%減)と減収減益となった。
収益性の高い大型案件がなかったこと、緊急事態宣言によって受注機会が減少したことなどが要因である。
2023年3月期の業績見通しについて、同社は売上高13,500百万円(同42.7%増)、営業利益500百万円(同584.9%増)と、受注環境の回復により大幅な増収増益を見込んでいる。
前期の実績としては、同社の工事事業を担う「コスモスモア」が携わった施設が「iF DESIGN AWARD2022」を含む複数の賞を受賞した。
ほかに、築60年全5棟の大型ビル「Recruit Kudanshita New Office」を働き方改革に対応したオフィスへと再生、インクルーシブデザインを取り入れた屋外型スポーツ施設「TOKYO SPORT PLAYGROUND SPORT×ART」の設計・施工も担当した。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)


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