[ロサンゼルス 19日 ロイター] - 米動画配信サービス大手・ネットフリックスは19日、第2・四半期の契約者数が97万人減少したと発表した。4月時点の自社予想である200万人減よりも小幅な減少にとどまり、第3・四半期にはプラスの伸びを回復するという見通しを示した。
引け後の時間外取引で、ネットフリックスの株価は8%上昇。投資家はまだ新規契約者を獲得できるという兆しを好感した。
第2・四半期は米国とカナダで130万人、欧州・中東・アフリカで77万人の契約者を失った。一方、アジア太平洋地域では110万人近く増加し、影響を一部相殺した。
同社は全世界で約2億2100万人の有料契約者を抱え、依然として支配的なストリーミングサービス提供会社となっている。
今後については、来年に広告付きプランのオプションを展開する計画を示したほか、ドル高が米国外での契約収入に打撃を与える恐れがあると警告した。
第3・四半期の契約者数見通しは100万人増とした。リフィニティブのまとめたアナリスト予想は184万人増。
リード・ヘイスティングス最高経営責任者(CEO)は決算発表後のインタビューで、契約者数減少が予想より小幅にとどまったことについて、人気ドラマ「ストレンジャー・シングス」の新作配信が寄与したとの見方を示した。また「われわれはストリーミングについて非常に強気だ」と述べた。
共同CEOのテッド・サランドス氏も、世界にはまだ契約していない人が数十億人いるとし、成長の余地は依然「非常に大きい」と指摘。「今はやや逆風があるが、それを乗り越えようとしている」と述べた。
ウェドブッシュ証券のアナリスト、マイケル・パクター氏は、ネットフリックスがコストを削減しており、来年にフリーキャッシュフローが大幅に増加するとの予想を示した。
ネットフリックスの業績は、ウォルト・ディズニーなどとの競争激化、利用者間でのパスワード共有、景気減速などの影響を受けている。パスワード共有問題については、中南米地域で2つの選択肢を試していると説明した。
第2・四半期の1株当たり利益は3.20ドル。市場予想の2.94ドルを上回った。
売上高は9%増の79億7000万ドルで、アナリスト予想の80億4000万ドルを下回った。為替の影響を除くと売上高の伸びは13%だった。