[ソウル 27日 ロイター] - 米電気自動車(EV)大手テスラなどのサプライヤーである韓国のバッテリー製造LGエナジー・ソリューションが27日発表した第2・四半期決算は、原材料コストの上昇と中国の新型コロナウイルス規制で利益が予想をわずかに下回った。
同社はまた、新たな生産拠点の立地先を欧州や中国以外のアジア地域で探していると明らかにした。
営業利益は1960億ウォン(1億4948万ドル)と、前年同期の7240億ウォンから減少。前年同期には多額の一時的な利益が含まれていた。この特別項目を除くと減益幅は緩やかだとしている。
アナリスト予想は1990億ウォンだった。
売上高は前年同期比1.2%減の5兆1000億ウォンだった。
テスラ向け販売は中国のコロナ規制による3月と4月の同社上海工場生産停止で打撃を受けた。アナリストによると、LGエナジーのような電池メーカーは自動車メーカーと長期供給契約を結んでいるが、納入は通常、生産スケジュールに依存しており、価格は合意条件に基づいて再交渉されることがある。
同社は米アリゾナ州に1兆7000億ウォン(12億9000万ドル)を投じて電池工場を建設する計画の再検証を続けているとし、3カ月以内に発表文を出すと表明した。同社は先月、米国の異例な経済情勢を理由に工場建設計画を見直すと発表していた。
この日の説明によると、顧客から新工場を求める声は依然あるが、北米の過度なインフレや建設・物流費の上昇を含む事業環境の変化により見直しが必要になった。
さらに、北米の新興EVメーカーや戦略提携先向けのパウチ型および円筒型電池に関し、顧客との合弁を拡大する考えだとした。
LGエナジーは一方、通年の売上高見通しを19兆2000億ウォンから22兆ウォンに引き上げた。リフィニティブがまとめたアナリスト予想の20兆9000億ウォンを上回った。
アナリストは下半期について、顧客と供給契約の条件を再交渉し、原材料費の上昇を一部転嫁することで収益が改善すると予想している。