[ベルリン 28日 ロイター] - 独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)は28日、通期の業績見通しを据え置いた。供給網の目詰まりは緩和した。一方でウクライナ戦争と欧州のエネルギー問題が下半期の業績に影響するとの見通しを示した。
特別項目計上前の営業利益は47億ユーロ(48億1000万ドル)と急減したが、リフィニティブが調査したアナリスト7人の予想46億ユーロは上回った。
原材料のヘッジなどに関連して約24億ユーロのデリバティブ損失を計上した。これらを除く基調的な業績は、良好だった第1・四半期よりも改善しているとした。
生産の問題によりVWブランドは営業利益が8%減少したが、高級車部門は好調でアウディは51%、ポルシェは22%の増益となった。
中国で新型コロナウイルス関連規制が緩和されたことなどから、第2・四半期終盤にかけてグループ全体の月産台数が大幅に改善した。
アルノ・アントリッツ最高財務責任者(CFO)は、半導体の状況が改善し受注残が高水準なことから、下半期は製品のバランスが正常化すると予想した。
VWは通期の売上高を8─13%増、営業利益率は7.0─8.5%増、販売台数は5─10%増と見込んでいる。
上半期の売り上げは約5分の1に減少、欧州を中心に大きな打撃を受けた。「特に欧州ではエネルギー供給に関する不確実性が存在する」と指摘した。