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米、エヌビディアなどのAIチップに対中輸出規制

発行済 2022-09-01 08:07
更新済 2022-09-01 10:45
© Reuters.  8月31日、米半導体大手エヌビディアは、A向けの主力半導体2種について、中国への輸出を停止するよう米当局から命じられたと明らかにした。写真は同社のロゴ。米カリフォルニア

[31日 ロイター] - 米半導体大手エヌビディアは31日、人工知能(AI)向けの主力半導体2種について、中国への輸出を停止するよう米当局から通知があったと明らかにした。

機械学習を高速化する半導体「A100」と「H100」が対象で、今年発表した旗艦製品H100の開発完了に影響する可能性があるという。

エヌビディアによると、米当局は新ルールについて、対象製品が中国の「軍事最終用途」や「軍事最終使用者」に利用・転用されるリスクに対処するものと説明した。

アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)の広報担当者も、輸出許可に関する新たな要件の通知があり、AIチップ「MI250」の対中輸出が停止されるとロイターに明らかにした。「MI100」は影響を受けないとの見方を示し、新ルールが事業に重大な影響を及ぼすとはみていないとした。

エヌビディアの株価は時間外取引で6.6%、AMDは3.7%、それぞれ下落した。

米商務省は取材に対し、対象チップにどのような基準を新たに設けたかは明らかにしなかったが、先端技術が悪用されないよう中国に関連した政策や慣行を見直していると回答。

同省報道官は「現時点で具体的な政策変更を説明する立場にないが、米国の安全保障と外交政策の利益を守るため、技術や最終用途、最終使用者に関連して必要な追加措置を講じる上で包括的なアプローチを取っている」と述べた。

エヌビディアを含め大半の主要半導体企業の製品が生産されている台湾を巡り緊張が高まる中、今回の発表は中国の技術力抑制を目指す米国の取り組み強化を示唆している。

エヌビディアやAMDなど米国の半導体がなければ、中国の企業や組織は画像・音声認識など多くの作業に使われる高度な演算処理をコスト効率良く行うことが難しくなる。

画像認識や自然言語処理はスマートフォンなどで消費者向けに広く使われているほか、兵器や基地の衛星画像の精査、情報収集のためのデジタル通信のフィルタリングなど軍事的な用途もある。

エヌビディアは対象製品の対中輸出で今四半期に4億ドルの売上高を見込んでいたとし、中国企業が別のエヌビディア製品を代わりに購入しなければ売り上げが失われると指摘。新ルールの適用除外を申請する方針だが、承認される保証はないとした。

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