[ニューヨーク 14日 ロイター] - 米金融大手シティグループのジェーン・フレイザー最高経営責任者(CEO)は14日の決算発表に伴う電話会見で、トラス英政権が一時打ち出した大型減税に端を発した英国債市場混乱が米国債市場にも波及したことを念頭に、同行は常にさまざまな領域の顧客を巡り、さまざまに市場の緊張具合を点検していると表明。ただ、そうした努力が「言うならばもぐらたたきのようだ」とも語った。
「もぐらたたき」の言葉は、フレイザー氏がシティのような世界的な大手金融機関の役割について、市場の資本状況が堅固であるよう支える重要な役回りにあると言明する中で出た。
フレイザー氏は自分が現在は「市場の流動性」により焦点を当てているとし、「当行の信用リスクに対する影響よりも、一部の取引相手に及ぶ影響の方をはるかに強く注視しているところだ」と述べた。
英金融市場の混乱で英年金基金にデリバティブ取引に絡む追い証のリスクが高まったことについては、一部顧客が市場のボラティリティー増大の打撃を受けたと説明。「われわれはさまざまな金融機関の差し入れ担保の状況を注視している」と表明した。今年一時強まったコモディティー市場の混乱でも同行が同様の対応をしたとし、「また違う市場の緊張を見て取れば、われわれはすぐさま対処することになる」と語った。ある意味、もぐらたたきのようだと自嘲した。
欧州についてはエネルギー不足のリスクが続く「嵐のまっただ中にある」とし、これも同行の一部顧客に影響しているとした。