[ロンドン/ニューヨーク 16日 ロイター] - 関係筋によると、米ゴールドマン・サックスは大規模な事業再編を行い、主要事業を3部門に統合する計画。投資銀行業務とトレーディング業務を一つの部門に統合する。
第3・四半期決算と併せて18日に発表する見通し。
「マーカス」ブランドの消費者向けバンキング業務は資産・ウェルス部門に吸収する。
不安定なトレーディング・投資銀行収入への依存を減らし、手数料ベースの事業を強化する。
デービッド・ソロモン最高経営責任者(CEO)はマーカスで主流デジタル銀行の地位を確立する野心的目標を掲げてきたが、今回の再編によって事実上の降格となる可能性が示された。
ソロモン氏は就任初期からリテール銀行事業で存在感を高めることを目指してきた。しかし、マーカスはシェア拡大に苦戦し、サービス開始の遅れも相次いだ。ブルームバーグによると、ゴールドマンは年半ばにマーカスの年間損失が12億ドル以上に膨らみ、累積損失は40億ドルを超えるとの内部予測をまとめた。
再編計画は米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が16日、事情に詳しい関係者の話として報じていた。第3の部門はトランザクションバンキングと金融技術プラットフォームのポートフォリオを管理するという。
投資銀行とトレーディング業務統合後は、現在の投資銀行部門共同責任者であるダン・ディーズ、ジム・エスポジート両氏およびグローバル・マーケッツ部門共同責任者のアショク・バラダン氏の3人が統括する。
グローバル・マーケッツ部門共同責任者のマーク・ナックマン氏は、資産・ウェルスマネジメントを統合した部門の運営を担うという。
ゴールドマンは9月に世界各地で人員削減を実施したばかりで、数百人が対象になった可能性がある。
第3・四半期決算は投資銀行部門の収入が低調なM&A(買収・合併)活動に下押しされ、大幅減益が予想されている。