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アデランス Research Memo(6):新中計の方向性は海外事業の収益成長と店舗開発への投資

発行済 2015-06-01 18:07
更新済 2015-06-01 18:33
アデランス Research Memo(6):新中計の方向性は海外事業の収益成長と店舗開発への投資
ADRNF
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■新中期経営計画 アデランス (TOKYO:8170)は中期経営計画及び中期業績目標を毎年見直し、改定している。
2015年4月に発表された新中期経営計画では、2015年2月期実績を踏まえて業績目標のうち利益計画が一部下方修正された。
計画の方向性としてはトップライングロースによる利益成長というチャレンジングな姿勢を打ち出しており、収益成長のメインエンジンとして海外事業に軸足を移しつつある。
同社は新たな中期業績計画実現に向けて、各事業別に具体的なアクションプランを提示している。
基本的にはこれまで行ってきたことのブラッシュアップであるが、店舗開発を中心にこれまで以上に投資を行うため、その回収が最大のポイントとなる。
各事業部門の計画に対する弊社の考え方は以下のとおりだ。
国内オーダーメイドサロン事業: この事業では、売り上げ拡大に力点が置かれ、「より効率的な広告、プロモーションの強化や「新商品・サービスの開発と販売」、「要員の適正配置と質向上のための研修スピード化、などが掲げられている。
これら一連の施策のなかで弊社が特に注目しているポイントは、「店舗・サロンの展開の積極化」だ。
これらは出店に際し費用・投資が発生するものであり、それに見合う収益を確保できるかどうかを見定める必要がある。
既に展示会の開催や広告・販促の効率化は売上高増加へ寄与しており、今後も継続的な取り組みが求められる。
国内レディメイド事業: この事業は百貨店ルートとGMSルートの2つの販売ルートがあるが、双方に共通する最大の施策は店舗の強化だ。
百貨店ルートでは地方百貨店などの未出店店舗への新規出店が中心だ。
一方GMSルートでは、既存店の評価を行い、より効率的な店舗への改善と選択と集中を進めるとしている。
さらに、百貨店ルートではデザイナーズブランドウィッグによる、次世代ターゲット顧客の獲得強化を目指す方針を掲げている。
弊社が最も注目しているのはこの点で、これがどのような成果を上げるか注目している。
GMSの中では「ECリテールとの連携強化」というのが打ち出されているが、ウィッグがEコマースと親和性があるかないかを見極めたい意味では、ここも注目点といえよう。
国内その他事業: 弊社では美容室・サロンを通じてウィッグを販売する「美材ルート」にまだ成長余地があるのではないかとみているが、販売実績は近年右肩下がりが続いている。
今中計では「製販一体による他社比優位差別化商品の定期導入」と「B to Bのプロモーション、イベント強化によるシェア拡大が掲げられており、これらの効果に注目している。
また、医療事業は市場規模は小さいものの、今後の成長余地が大きいのは疑いない。
同社は医療専用アイテムの開発、院内サロンの出店強化、パンフやポップの設置強化などを掲げており、これら施策の効果も注目される。
米国事業: ボズレー、ヘアクラブ、AHGと大きく3つの業態に分かれており、それぞれにおいて具体的施策が掲げられている。
その中で弊社が最も注目するのはヘアクラブにおける女性向けオーダーメイドかつらの販売強化だ。
女性向けかつらの需要を取り込み、現状の男女別売上高構成比8:2が5:5になれば売上高30,000百万円も視野に入る。
広告・宣伝の投入なのか、新商品の開発なのかといった具体的な強化策と関連付けて販売状況をモニターしていく必要があると考えている。
また、ヘアクラブではFCの直営化も進めている。
買収のための投資を伴うだけに、こちらも、直営化後の効果を継続的に検証する必要があろう。
欧州事業、中国・アジア事業: 欧州では中計期間中毎年10店舗以上の新店開設を打ち出している。
国ごとに市場構造や消費者の嗜好が異なる欧州市場の特性から、小刻みな出店での事業拡大にならざるを得ないと思われるが、管理の煩雑さや効率の悪さは否定できず、費用対効果の検証が重要になる。
中国・アジア事業については「効率的な百貨店、商業施設への出店強化」など、戦線拡大方針が掲げられている。
弊社ではアジア・中国での多店舗展開については懐疑的だ。
理由は当該地域ではへアケアの意識が成熟していないと思われることや、経済的側面においても、個人所得水準と同社製品の価格帯にまだ大きな開きがあると思われることだ。
簡単に言えば、かつらの大衆化を前提として事業展開には時期尚早ではないか、というのが弊社の見方だ。
しかし、それら地域においても一定のニーズが存在するのは間違いない。
そうしたニーズの取り込みには、いわゆるインバウンドの「医療ツーリズム」のように、日本国内に顧客を呼び寄せ日本で施術を行う「体験」を提供し、需要創造につなげるアプローチのほうが効率的ではないかと考えている。
生産拠点: ADラオス社の新工場が2015年7月頃に本格稼働する予定だ。
ラオスでは既に仮工場が動いているため、従業員の業務の習熟も進んでおり、円滑に生産が開始される見通しだ。
ラオス新工場に期待されている役割はまずはオーダー商品の一貫生産体制の確立であり、その後はレディメイドの製作へも拡張する計画となっている。
業績貢献という意味ではコストダウン効果が着実に実現されているかどうかに注目している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

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