[ロンドン/ミラノ 2日 ロイター] - 金融データ会社IONトレーディングUKがランサムウエア(身代金要求型ウイルス)攻撃を受け、一部のデリバティブ取引に影響が出た。関係筋が2日明らかにしたところによると、復旧には数日かかる可能性がある。
親会社IONグループは1月31日に攻撃が始まったとした上で、「一部の環境に限定されており、影響を受けた全てのサーバーは切り離され、サービス復旧が進められている」と説明した。
英国の金融行為監督機構(FCA)と健全性規制機構(PRA)、米連邦捜査局(FBI)はこの事案を承知していると述べた。
業務が影響を受けたIONの顧客にはABNアムロ・クリアリングやイタリア銀行大手インテサ・サンパオロが含まれることが、ロイターが確認した両社の顧客へのメッセージで分かった。
米先物取引業協会(FIA)は、取引所でのデリバティブの取引や清算に影響が出たが、証拠金の問題は報告されていないとした。
ある関係者は、この攻撃によってオプションなど複雑な店頭取引を処理するブローカーが困難な状況に陥ったとし、解決にはさらに5日かかる可能性があると述べた。
ランサム集団を追跡するウェブサイトに掲載されたスクリーンショットによると、ハッカー集団「ロックビット」はダークウェブ(闇サイト)上のブログで、IONが身代金を払わなければ盗んだデータを4日に公表するとしている。一部の専門家はロックビットにロシアのメンバーが含まれるとみている。