サンワテクノス (TOKYO:8137)は技術系専門商社で、電機・電子・機械の3分野にまたがって事業を展開している点が特徴的だ。
同社は顧客企業(メーカー)の生産ライン構築のための機器の納入や部材の販売(主として機械部門、電機部門)と、その生産ラインで製造された製品を引き取って他社に販売する(主として電子部門)ことの両方を手掛けることで成長してきた。
同社ではこれを「双方向取引」と称している。
2015年3月期は2期連続で過去最高業績を更新し、現中期経営計画「JUMP1200」で掲げる利益計画に沿って着地した。
国内販売は一部商材の減収で前期比5.5%増と伸び悩んだが、アジアでの販売が同23.4%増、欧米の販売が同7.5%増と好調で全体の売上高は同9.8%増となった。
利益面では売上総利益が同10.3%増となり、販管費の増加を吸収して営業利益は同8.1%増益となった。
一方、2016年3月期の業績予想については注意を要する。
現中期経営計画の業績計画では売上高120,000百万円、経常利益4,700百万円とされてきたが、今回の業績予想では売上高119,000百万円、経常利益3,800百万円となっている。
この点について弊社では、現時点の予想は売上高に関しては確実なものだけを取り込む一方、費用に関しては先を見据えた先行投資的なものについて、想定し得る要素をすべて盛り込んで保守的に予想した結果であるとみている。
同社の仕入先企業の業績予想が同社以上に強気なものとなっていることも注目される。
同社は2017年3月期から新中期経営計画に移行する予定である。
その詳細は当然ながら明らかになっていない。
過去最高業績の更新が続く同社といえども、経営上の課題は多い。
それらの課題と成長シナリオとは表裏一体の関係にあり、課題を克服することがそのまま同社の成長エンジンにつながっていくと弊社では考えている。
具体的には、非日系企業向け事業の拡大、エンジニアリング事業の強化、コスト・コントロールの強化、などを挙げることができる。
2016年3月期は、現中期経営計画の仕上げの年であると同時に、2017年3月期からの新中期経営計画に向けた準備の年でもある重要な節目の年である。
それゆえ、表面的な業績数値よりも、中期成長性を確信させ得る実体的な布石が打たれるかどうかに注目すべきと弊社では考えている。
■Check Point ・第8次中計「JUMP1200」は、業績面でもほぼ計画どおり進捗 ・2015年3月期決算は2期連続で過去最高益を更新して着地 ・安定的かつ継続的な利益還元を重視、継続的な増配の動きに期待 (執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
同社は顧客企業(メーカー)の生産ライン構築のための機器の納入や部材の販売(主として機械部門、電機部門)と、その生産ラインで製造された製品を引き取って他社に販売する(主として電子部門)ことの両方を手掛けることで成長してきた。
同社ではこれを「双方向取引」と称している。
2015年3月期は2期連続で過去最高業績を更新し、現中期経営計画「JUMP1200」で掲げる利益計画に沿って着地した。
国内販売は一部商材の減収で前期比5.5%増と伸び悩んだが、アジアでの販売が同23.4%増、欧米の販売が同7.5%増と好調で全体の売上高は同9.8%増となった。
利益面では売上総利益が同10.3%増となり、販管費の増加を吸収して営業利益は同8.1%増益となった。
一方、2016年3月期の業績予想については注意を要する。
現中期経営計画の業績計画では売上高120,000百万円、経常利益4,700百万円とされてきたが、今回の業績予想では売上高119,000百万円、経常利益3,800百万円となっている。
この点について弊社では、現時点の予想は売上高に関しては確実なものだけを取り込む一方、費用に関しては先を見据えた先行投資的なものについて、想定し得る要素をすべて盛り込んで保守的に予想した結果であるとみている。
同社の仕入先企業の業績予想が同社以上に強気なものとなっていることも注目される。
同社は2017年3月期から新中期経営計画に移行する予定である。
その詳細は当然ながら明らかになっていない。
過去最高業績の更新が続く同社といえども、経営上の課題は多い。
それらの課題と成長シナリオとは表裏一体の関係にあり、課題を克服することがそのまま同社の成長エンジンにつながっていくと弊社では考えている。
具体的には、非日系企業向け事業の拡大、エンジニアリング事業の強化、コスト・コントロールの強化、などを挙げることができる。
2016年3月期は、現中期経営計画の仕上げの年であると同時に、2017年3月期からの新中期経営計画に向けた準備の年でもある重要な節目の年である。
それゆえ、表面的な業績数値よりも、中期成長性を確信させ得る実体的な布石が打たれるかどうかに注目すべきと弊社では考えている。
■Check Point ・第8次中計「JUMP1200」は、業績面でもほぼ計画どおり進捗 ・2015年3月期決算は2期連続で過去最高益を更新して着地 ・安定的かつ継続的な利益還元を重視、継続的な増配の動きに期待 (執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)