[ブリュッセル 13日 ロイター] - ユーロ圏財務相および欧州委員会のジェンティローニ委員(経済担当)は13日、米シリコンバレー銀行(SVB)破綻に伴う波及リスクについて軽視する姿勢を示した。ただ、欧州銀行株はロシアのウクライナ侵攻以来の大幅な下げとなっている。
銀行株指数は一時6%超下落。前週末10日には3.8%下げていた。2日間の下げは約9%となった。
フランスのルメール経済財務相がブリュッセルで開催されたユーロ圏財務相会合(ユーログループ)の冒頭、市場に「落ち着くよう」呼びかけたほか、ジェンティローニ委員は欧州銀行セクターへの影響波及リスクを確認していないと指摘。「間接的な波及の可能性はあるが、現時点では特定のリスクとは考えていない」と述べた。
欧州委の報道官は、SVB破綻後の状況を注視しているとしつつも、EU域内におけるSVBのプレゼンスは非常に限定的と指摘。「米当局による迅速かつ断固とした対応に注目している。関係当局と連絡を取り合っている」とした。
ユーログループのドナフー議長は記者会見で「問題はシリコンバレー銀行特有のビジネスモデルから生じている。欧州では全く異なっており、われわれの銀行は全体的に良好な状態にある」と指摘。「近年、銀行は非常に強化され、各国および欧州当局の厳しい監視下に置かれ、バーゼルの枠組みが全ての域内銀行に適用されている。したがってシリコンバレー銀行への直接的なエクスポージャーはない」とした。
ドイツのコメルツ銀行が約13%安と下げが目立ったが、ドイツのリントナー財務相はSVB破綻のドイツへの影響はないとし「ドイツ経済を信頼している」と述べた。
ルメール経済財務相とベルギーのペテゲム財務相も自国の銀行に特別な懸念はないと表明。ただ、フランスの銀行ソシエテ・ジェネラル(ソジェン)とBNPパリバの株価が6%以上、ベルギーのKBCは約6%安となった。
ルメール経済財務相は「ソジェンやBNPパリバなどフランスの銀行の経済モデル、財務モデルはシリコンバレー銀行のモデルと根本的に異なっている」と述べた。
ペテゲム財務相は「欧州とベルギーには非常に明確な規制の枠組みがあり、これにより現状の把握が可能で、当然、銀行システムに対する信頼維持にも役立っている」とした。
スペインではサバデル、サンタンデール、BBVA、カイシャバンク、ウニカハの株価が7─11%下落。
スペインのカルビニョ経済相は「スペインの銀行は監督の枠組みが強化され、健全なバランスシートを有している」とした。