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オンコリス Research Memo(8):2022年12月期も研究開発負担により損失計上が続く

発行済 2023-03-27 16:58
更新済 2023-03-27 17:01
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*16:58JST オンコリス Research Memo(8):2022年12月期も研究開発負担により損失計上が続く ■業績動向と財務状況

1. 2022年12月期の業績概要
オンコリスバイオファーマ (TYO:4588)の2022年12月期の売上高は前期比333百万円増加の976百万円となった。
中外製薬からのテロメライシンに係る開発協力金などの収入が913百万円と売上高の大半を占め増収要因となった。
費用面では、テロメライシンの製法開発等により研究開発費が同122百万円増加の947百万円となったが、増収効果により営業損失は同250百万円縮小の1,204百万円となった。
また、営業外で為替差益が25百万円増加したほか、譲渡制限付株式報酬償却が50百万円減少したこと等により、経常損失は同337百万円縮小の1,163百万円となり、前期に特別損失として計上した関係会社株式評価損90百万円がなくなったこと等により、当期純損失は同466百万円縮小の1,148百万円となった。



2023年12月期は新規契約等の未確定要素があるため非開示とするが、研究開発費は前期並みの水準を見込む
2. 2023年12月期の業績見通し
2023年12月期の業績見通しについては、業績に与える未確定要素があるため非開示とした。
具体的には、テロメライシンの国内での販売提携契約や米国における共同研究に係る契約が決まった場合に、契約一時金が計上される可能性があるほか、ライセンス契約締結先のイベント達成により発生するマイルストーン収入が入る可能性もある。
費用面について見ると、研究開発費はテロメライシンの臨床試験費用が減少するものの、商用向けの製法開発費の増加が見込まれ、全体では前期並みの水準となる見通しだ。
また、販売承認申請に向けて薬事三役(総括製造販売責任者、品質保証責任者、安全管理責任者)の体制を構築していくほか、市販後調査が必要となるため、その機能も設置する予定にしており、関連する人材の採用を進めていく。
従業員数としては前期末の38名から7名程度の増員を計画している。
なお、MR人材については、販売パートナー契約を締結し、パートナー企業で販売することになるため、採用する予定はない。



テロメライシンの2025年上市が収益化に向けた転換点となる見通し
3. 中長期の成長イメージ
同社は2020年以降、コロナ禍の影響で国内外の開発プロジェクトに遅れが生じた。
また、中外製薬とのライセンス契約の解消など経営面での逆風が続いたが、今後もテロメライシンの上市を最優先に取り組んでいく方針だ。
また、事業形態もライセンス型事業モデルに加えて、製造販売まで行う製薬企業型事業モデルでの体制構築を進め、パイプラインの状況や開発する地域に応じた最適な事業モデルを展開することで、企業価値の向上を目指していく。
米国ではアムジェンなどに代表されるようにライセンス型事業モデルのベンチャーが自社販売で成功してメガファーマに飛躍を遂げるケースも多く、自社販売を行う戦略についてマイナスのイメージはない。


テロメライシンの上市時期は早くて2025年になるため、それまでは先行投資期間が続くことになる。
ただ、テロメライシンの上市に成功すれば、その後は国内外で適応拡大を進めながら製品価値を高めていくことが可能となり、収益化ステージへ移行する道筋もクリアになると思われる。
前述した通り、テロメライシンは食道がんで国内外合わせて1,000億円超の潜在需要がある。
もちろん、新たな治療法や治療薬の開発も進んでいるため、すべての需要を取り込むことは難しいが、テロメライシンの「手術をしなくてもがんを治すことができる」という特徴が広く認知されるようになれば、テロメライシンの売上が拡大し企業価値も大きく向上する可能性はある。
さらには、腫瘍殺傷能力がさらに高い次世代テロメライシン「OBP-702」や、神経変性疾患向けの開発が進む「OBP-601」なども対象市場を考えると期待値は大きく、今後の開発の進展に期待したい。


なお、2018年に資本提携した腫瘍溶解アデノウイルスの開発ベンチャーである米Unleash Immuno Oncolytics,Inc.(アンリーシュ)で、5種類の開発候補品ができ上がったようで、同社でこれら候補品の評価・分析を今後行う予定にしている。
「OBP-702」よりも性能が高いようであれば、開発パイプラインに追加していく考えだ。



今後の資金調達は提携先からの調達を最優先に検討する方針
4. 財務状況
2022年12月期末の財務状況を見ると、総資産は前期末比1,641百万円減少の2,650百万円となった。
主な変動要因を見ると、流動資産では研究開発に係る前払金が272百万円、未収入金が170百万円それぞれ増加した一方で、現金及び預金が1,743百万円、売掛金が352百万円それぞれ減少した。
固定資産では関係会社長期貸付金が34百万円、長期前払費用が17百万円それぞれ減少し、流動資産に振り替わっている。


負債合計は前期末比206百万円減少の491百万円となった。
有利子負債が111百万円、未払金が45百万円、未払法人税等が56百万円それぞれ減少した。
純資産は1,434百万円減少の2,159百万円となった。
当期純損失1,148百万円を計上したことに加えて、収益認識会計基準等の適用に伴い期首の利益剰余金が285百万円減算調整されたことによる。


同社は開発ステージの企業であるため自社開発品の上市が実現するまでは研究開発費が先行し、損失が続く可能性が高い。
2022年12月末の現金及び預金は17億円強で当面の事業活動資金は確保されているが、当面は損失が続く見通しであることから2023年後半までには資金調達を行う必要があると見られる。
同社では調達手段として、テロメライシンの共同開発パートナーあるいはコ・プロモーションを行う販売提携先からの資金調達を優先し、不足分が生じる場合には株式市場から調達することも選択肢の1つとして考えているようだ。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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