[27日 ロイター] - 物言う株主(アクティビスト)のエリオット・マネジメントは27日、米顧客管理ソフト大手のセールスフォースの経営陣に独自の取締役候補を送り込む方針を撤回した。セールスフォース側が収益向上や経営効率化に注力する姿勢を打ち出し、「和解」が成立した。
両者の共同声明には「エリオットは取締役指名手続きを進めないことを決め、セールスフォースはこれまでに培ってきたエリオットとの生産的な協力関係を継続する決意を示した」と記された。
エリオットが独自の取締役候補をリストアップした後、セールスフォースが発表した業績は予想を上回った。セールスフォースは一段の経費圧縮を約束し、自社株買い規模を2倍の200億ドルに拡大した上に、人員削減規模を上積みすることも示唆している。
事情に詳しい関係者によると、こうしたセールスフォースの動きにエリオットが満足し、コストがかかる委任状争奪戦回避につながったという。
セールスフォースに対しては、バリューアクトやインクルーシブ・キャピタル、スターボード・バリューといった投資家もそれぞれ別個に経営改革を要求している。