[ベルリン 14日 ロイター] - 中国訪問中のベーアボック独外相は14日、「紛争は平和的に解決されなければならない」と述べ、台湾海峡の緊張を重大な懸念を持って注視していると警告した。
中国の秦剛外相との共同会見で、中国によるいかなる台湾支配の試みも容認できず、欧州に深刻な影響を及ぼすと表明。「一方的で暴力的な現状変更はわれわれ欧州人にとって容認できない」と語った。
ベーアボック氏は「世界貿易の50%が毎日行き交う台湾海峡での軍事的エスカレートは世界全体にとって恐怖のシナリオとなるだろう」と述べた。
また、ウクライナ戦争を巡っては「(中国の)習近平国家主席のモスクワ訪問は、中国ほどロシアに大きな影響力を持つ国はないことを示した」と指摘。「中国が解決策模索への関与を示唆したのは良いことだ。しかし、なぜ中国はこれまで侵略者であるロシアに戦争を止めるよう求めていないのか疑問であるとはっきりと言わなければならない。(ロシアの)プーチン大統領にはいつでもそうする機会があることは周知の事実だ」と話した。
中国に経済的に依存しすぎることのリスクについても指摘。「われわれはロシアへのエネルギー依存で高い代償を払ったばかりだ。同じ過ちを繰り返してはならない」とし、経済の安全保障がドイツの対中戦略の中核だと述べた。
欧州連合(EU)の外相にあたるボレル外交安全保障上級代表も、EUは原材料の中国への依存度を下げるためにバリューチェーンを多様化する必要があると訴えた。
EUと中国の間の貿易不均衡の拡大は「持続不可能」だとし、中国に対し市場アクセスの障壁を取り除くよう求めた。
同氏は新型コロナウイルス感染が判明したため訪中を延期したが、講演のための事前原稿で明らかにした。