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萩原電気 Research Memo(4):付加価値を付けることが可能な商社、粗利の高さが証左

発行済 2015-06-25 16:07
更新済 2015-06-25 16:33
萩原電気 Research Memo(4):付加価値を付けることが可能な商社、粗利の高さが証左
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■会社概要 特色、強み 萩原電気 (TOKYO:7467)の主力事業はルネサスエレクトロニクスから半導体を仕入れ、主にトヨタグループ企業に販売する「商社機能」であるが、同社の場合は単に商品を右から左へ流す商社機能だけでなく、以下のような特色や強みを持っている。
○提案力・開発力 同社は自社内に開発、技術サポート部門(技術者)を有していることから、提案力、開発力に優れている。
特にトヨタグループと密接であることから、同グループのニーズを的確に把握し、その内容を半導体メーカーにフィードバックすることで最適なデバイスを提供することが可能になっている。
また、独自の知識や技術を結集し、ユーザーのニーズに最適な製品やモジュール等を提案している。
同社によれば、現在販売しているカスタム半導体の一部は、数年前にデンソーやトヨタの指導で開発に関わったものであり、顧客の要求に応じ開発支援を行うことができるとのことである。
同社は顧客に対して「提案できる」、さらに顧客が求める製品を「開発できる」商社と言えよう。
○トヨタグループとの太いパイプ トヨタグループとの密接な関係も同社の強みだ。
単に生産面での恩恵(生産増→同社売上増)だけでなく、ハイブリッド車、EV車などの次世代自動車や、次々世代の自動運転分野で高い技術を有するトヨタと付き合うことで、同社自身の技術力、開発力、提案力にも一段と磨きがかかるだろう。
将来はこの技術力、開発力、提案力を自動車業界だけでなく、各種の産業用機器やFA機器、生産システム、検査システムなどに応用することで事業の拡大が可能になってくる。
要求が世界で最も厳しいと言われるトヨタグループと関係があること自体が、同社の財産とも言える。
一方で、売上高の多くをトヨタグループに依存していることはリスクが高いとの見方もあるが、必ずしもそうではない。
現在、トヨタは世界市場での勝ち組であり、そのトヨタグループ向けの売上高が多いことは、同社にとってプラスである。
○非自動車向けの技術力 同社の売上高の約14%は自動車業界向け以外だが、この大部分は単なる商社機能ではなく、むしろIT企業としてのシステム構築等によるものである。
特に生産現場でのシステムや検査工程でのシステム構築などに強い。
非自動車向け売上規模(年間約12,500百万円)は、ちょっとした上場システムインテグレーター(SI)企業の売上規模に匹敵し、このようなSI的な機能を持っていることも同社の特色であり、強みでもある。
以上のように同社は、単にデバイスを右から左へ流す商社機能だけでなく、「付加価値を付ける」ことができる商社である。
これは売上総利益率の高さからもうかがえる。
同社の売上総利益率(2015年3月期)が10.2%だったのに対し、同じようにルネサスの製品を多く扱う主な半導体商社の売上総利益率は、三信電気 (TOKYO:8150)が6.3%(同)、新光商事 (TOKYO:8141)が8.2%(同)、佐鳥電機 (TOKYO:7420)が8.3%(2014年5月期)となっている。
同社が持つ技術力、開発力、提案力によって「付加価値」がオンされた結果であろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

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