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テクマトリックス Research Memo(3):クラウドサービスのプラットフォームを提供、マイナンバーへの対応を視野

発行済 2015-06-30 16:07
更新済 2015-06-30 16:33
テクマトリックス Research Memo(3):クラウドサービスのプラットフォームを提供、マイナンバーへの対応を視野
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■2015年3月期の決算 (2)トピックス 1. 海外の優れた製品の発掘 テクマトリックス (TOKYO:3762)は総合商社のニチメン(現双日 (TOKYO:2768))の営業部門が分離、独立した企業である。
そのため、商社特有の“目利き力”が他社との大きな違いになっている。
世界中からまだ他社が気付いていない優れた技術を発掘し、販売するのが同社の特長とも言える。
2015年3月期も、この目利き力が発揮された。
特筆すべきものとしては、9月に締結された2件の新規代理店契約である。
2件とも米国企業だが、1件は、Avere System社(ペンシルべニア州ピッツバーグ市)のハイブリッドクラウドNAS(共有して利用するデータ記憶装置)「FXT」。
企業の情報システムは、クラウド化が進んでも、すべてがクラウドになるわけではない。
社内にサーバを置き、従来どおりのオンプレミス型のネットワークも共存するのが普通である。
ただ、その場合、例えば、オンプレミス型のネットワーク上の記憶装置にあるデータに比べてクラウド上のデータは呼び出しに時間がかかるといった使い勝手の悪さがある。
「FXT」は、オンプレミス型のネットワークとクラウドネットワークの橋渡しをし、あたかも、1つのネットワークであるかのように操作することができる。
データ保存や、セキュリティ面でも一体のシステムとして扱えるので、利便性や、安全性が高まる。
今後3年間で20億円の売上を目指す。
もう1件は、VERACODE社(マサチューセッツ州バーリントン市)の「VERACODE」。
ウェブアプリケーションの脆弱性を解析するクラウド型のサービスである。
インターネットなどのネットワークを介して使用するアプリケーションの脆弱性を狙った外部からの攻撃を防ぐために解析サービスを提供するほか、テクマトリックスは解析結果をもとに脆弱性の改修を支援するコンサルティングも提供する。
今後3年間で10億円の売上を目指す。
2. クラウドサービスのプラットフォーム提供戦略 クラウドサービスのプラットフォーム提供戦略は、下半期に打ち出した新戦略の目玉である。
同社のクラウドサービス上で他社のサービスを提供できるようにし、他社のサービスと同社のものと組み合わせることによって幅広いサービスを一括して提供する。
その結果、同社が提供するサービスがクラウド上でのプラットフォームの役割を担う。
顧客が将来、追加のサービスを必要とする場合もまず、同社に相談するという関係を築くことで、パートナー企業や顧客の囲い込みを図る。
具体的には、医療分野で展開する。
その理由は、2017年3月期中に導入されるマイナンバー(税と社会保障の共通番号)への対応が視野に入っているからである。
医療分野に関しては、プラットフォーム提供戦略は国家の医療改革とまさに連動する。
政府が2018年3月期にも導入を決定した医療情報とマイナンバーを連動させる政策を実現するには、医療情報のITC化によるネットワークの構築が不可欠になるからである。
同社にとっては、プラットフォームとしてのサービス提供が実現すれば、日本の医療改革の中核を担う社会インフラとして急激な成長が見込める。
さらに、このネットワークは医療機関だけでなく、薬局や介護事業者も参加することから市場拡大によるビジネス拡大も期待できる。
2015年3月期は、このような国家戦略に沿ったビジネス開拓の第一歩を踏み出した。
第1弾として、2014年10月にソフトバンクテレコム(株)、(株)電算(代表取締役社長 河野純(こうのじゅん)氏、本社:東京都中央区)と共同で「地域健康・医療情報プラットフォームサービス(HeLIP)」の提供をスタートさせた。
このサービスは、地域の医療機関、検査・健診センター、保険者、自治体などが保有する健康・医療データをクラウド上で安全に管理するとともに共通のインターフェースや認証基盤を通じて医療機関や施設ごとに異なる医療情報システムを連携できる。
医療の効率化、個人の健康管理に生かせるほか、災害時の緊急医療への活用、災害時のデータ消失リスクの低減などが期待できる。
具体的には、電算の地域医療連携システム「HARMONY suite」と「NOBORI」の画像保存技術を連携させ、ソフトバンクテレコムのクラウド基盤上で運営する。
自治体や地区医師会、医療機関を主なクライアントにして、3年後に関連ビジネスを含めて年商30億円を目指す。
第2弾として、2015年3月に医療情報システム向けのソフトウェアを開発している(株)スリーゼット(代表取締役社長 堀口達也(ほりぐちたつや)氏、本社:東京都千代田区)に「NOBORI」のプラットフォームをOEM供給するアライアンスを結んだ。
スリーゼットはベッドのない医療機関向け医用画像管理ソリューションの提供に強みを持ち、国内2,000施設への納入実績がある。
今回のアライアンスは、スリーゼットが「NOBORI」をクラウド環境のプラットフォームとして自社のソリューションと組み合わせ「WATARU」ブランドで提供する。
今後は、それぞれがシステム導入する医療機関において、「NOBORI」と「WATARU」のクラウド空間に蓄積された医用画像情報を導入施設で相互活用可能なサービスの提供も計画している。
スリーゼットは「WATARU」に関して、今後3年間で500施設の納入を目指す。
テクマトリックスは今後もアライアンス先を積極的に開拓していく。
「NOBORI」に関しては、電子カルテ機能、画像の3D化、医療機関同士の連携機能などをアライアンスによって付加していく考えである。
3. コンタクトセンター向けの次世代CRMシステム「FastHelp5」とくすり相談室専用CRMシステムの新バージョン「FastHelp Pe」の発売 コンタクトセンター向けの次世代CRMシステム「FastHelp5」と、くすり相談室専用CRMシステムの新バージョン「FastHelp Pe」を2015年2月17日に同時に販売開始した。
CRM分野に関しては、金融機関や行政機関向けでの拡大が予想される。
マイナンバーが口座開設の際の本人確認、税金、戸籍、旅券取得、自動車登録といった医療以外でも使用される方向となっており、問い合わせに対する体制強化のニーズが想定されるためである。
「FastHelp5」は96年に発売された「FastHelp」の第5世代製品。
第4世代から7年ぶりの全面改良となる。
操作性、機能性、俊敏性、柔軟性、拡張性の5つの性能で同社の最高技術を結集し、特に使いやすさを究極まで追求した新ユーザインターフェースがコンタクトセンターの業務の充実に資するとしている。
「FastHelp Pe」は、くすり相談室に特有の業務を行うための機能を標準装備し、医師、医療関係者、MRといったくすり相談室の関係者と医療施設を結び、情報を一元管理する。
「FastHelp5」と同様、使いやすさを究極まで追求した新ユーザインターフェースとなっている。
4. クロス・ヘッドとエヌ・シー・エル・コミュニケーションの合併 2014年12月に子会社でネットワークインテグレーション事業を行っているクロス・ヘッド(株)が、同社が株式の約8割を保有するエヌ・シー・エル・コミュニケーション(株)の残り約2割を個人株主から買い取り、完全子会社化した。
さらに2015年4月1日に吸収合併した。
エヌ・シー・エル・コミュニケーションは、ネットワーク仮想化技術であるSDN(Software Defined Network)を国内で先駆けて事業展開していたが、今後、本格的に市場が拡大することが期待できるため、両社が合併し、経営資源をより充実させて事業展開することにした。
5. 本社移転 本社を東京・港区高輪から港区三田に移転することを決定し、2015年5月7日に移転を完了した。
人員の増加への対応のほか、特に品川区北品川の「御殿山分室」の人員を本社に移すことで社内コミュニケーションの円滑化を図った。
本社ビルには、医知悟など子会社の一部も同居しており、グループ間の連携強化も期待される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柄澤 邦光)

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