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日本電技 Research Memo(9):営業利益目標を1年前倒しで達成するなど「第1フェーズ」は好進捗

発行済 2023-08-02 14:39
更新済 2023-08-02 15:00
© Reuters.
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*14:39JST 日本電技 Research Memo(9):営業利益目標を1年前倒しで達成するなど「第1フェーズ」は好進捗 ■中期経営計画

2. 「第1フェーズ」の成長戦略と進捗
(1) 「第1フェーズ」の成長戦略
現在取り組んでいる「第1フェーズ」の成長戦略は、「既存事業の強化」「拡大戦略の実行」「ND企業文化の成長」の3つを成長のための課題と見なし、それぞれ空調計装関連事業の安定成長、産業システム関連事業の成長加速、コーポレート全体としての取り組み推進を図ることで、全体としての成長へつなげていくことにある。
こうした成長戦略と全国的に旺盛な建設需要を背景に、2023年3月期に営業利益目標を1年前倒しで達成するなど、「第1フェーズ」は非常に順調な進捗となっている。
このため日本電技 (TYO:1723)は、2024年3月期「第1フェーズ」の業績目標を、受注高325億円(当初目標350億円)、売上高350億円(同340億円)、営業利益45.5億円(同45億円)、ROE10%以上へと若干ながら修正した。
但し、足もとの業況や受注環境が良好なことを考えると、受注高目標を中心に全体的に保守的な設定のように思われる。


(2) 空調計装関連事業の進捗と今後
空調計装関連事業では、足もと想定以上に旺盛な建設需要のなか、全社最適や選別受注などの体制整備により優良案件を確保するとともに、事業活動を通じて脱炭素社会の実現に貢献するための基盤を構築してきた。
この結果、新設工事では、全国の案件情報の本社集約により一層最適な営業・施工体制を構築し、各支店が優先したい重要案件を確保したうえで全社最適を意識した経営資源の配分が可能となるなど、2023年3月期の新設工事の受注高は前期比49%増と大きく増加した。
また、新設工事と既設工事の営業の連携を強化したことで、選別受注やメンテナンス契約見込みのある新設工事の受注が増加、社内目標を74%上回る達成率となった。


一方、既設工事では、データを活用したリモートメンテナンスを促進する新サービス「Next Dimension®」を開始したことで、メンテナンスサービスの品質が向上し提供価値が拡大、受注高は前期比10%の増加となった。
各拠点の管理職を対象にワークショップを開催して脱炭素社会に対応した省エネ提案を促進したことで、脱炭素に関わるソリューション物件の受注高が前期比8%の増加となった。
アンケートを実施して協力会社の実態把握に努め、将来を見据えた協力会社の体制構築に向けた諸施策の検討も開始した。
今後は、新設工事において、受注目標に沿った継続的な取り組みを実施するとともに、中長期的に安定した収益が得られる案件を受注する方針である。
既設工事では、完成した大型案件のメンテナンスの受注や、顧客のサステナビリティニーズに対応した営業活動など、現状を踏まえた諸施策を進めていく考えである。


(3) 産業システム関連事業の進捗と今後
産業システム関連事業では、成長エンジンとなる中核事業に育成するため産業ソリューション事業部をスタート、収益確保や管理体制といった課題に取り組んだ。
組織再編では、専門人材の確保は遅れているものの、事業部制を背景に現場従事者の柔軟な配置によって効率的な運営を追求した。
また、空調計装関連事業との間で営業情報を共有することで全国展開を図ったものの、好調な空調計装関連事業の支援に向けて施工要員の一部を一時的に充当したため受注を抑制することになり、受注高が前期比18.4%の減少となった。
知見豊富な人材育成に向けて専門研修やメーカーの新商材勉強会を定期的に開催するなど、エンジニアリング教育の充実については順調に進捗した。
組織再編においては一部やや課題の残る進捗となっているが、事業部としてスタートしたばかりである点を考慮すると相応の評価は可能と思われる。


グループ企業としての確立に関しては、子会社のジュピターアドバンスシステムズと連携して健康食品会社の生産管理システム関連の大型案件を受注するなど、協業連携は順調に進展した。
基盤づくりへの投資として、ここまで不成約ではあるものの、設備分野など事業拡大につながる業務提携やM&Aの検討も続けている。
また、第3回フードテックジャパン東京に出展するなど、認知度向上に向けた展示会投資も継続している。
今後については、組織再編では、事業部1年目の反省を活かしてPDCAを実施するとともに、教育体制の整備・充実を加速し、次期「第2フェーズ」で抜本的な人的資本投資計画を策定する予定である。
グループ企業としての確立では、子会社の管理体制・人事制度の整備を進め、基盤づくりへの投資では、業務提携やM&A案件の検討、展示会への出展を継続する方針である。


(4) コーポレート全体としての進捗と今後
安全衛生や品質向上に関しては、現場労働災害ゼロの達成や品質管理計画の運用開始など、働き方改革やワークライフバランスに関しては、正社員定年延長(60才→65才)や女性採用、テレワーク活用、残業上限規制、健康経営優良法人認定(4期連続)など、ガバナンスの徹底に関しては、コーポレートガバナンスやコンプライアンス、リスク管理などの面で一定の成果があった。
また、サステナビリティ経営の推進では、サステナビリティ委員会や経営陣に対する勉強会の開催などを進めたが、サステナビリティ経営の浸透や非財務上の開示に課題が残った。


(5) 人的資本の充実
人的資本の充実に関しては、必要最低限の採用確保(2023年3月期29人)、社内専門技術研修の開催、メーカーによる機器・システム研修の開催、賃金制度の改定など一定の成果として評価できるが、2030年に1,100名体制を目指すうえでやや物足りない結果だと思われる。
国内の人手不足が中期的に深刻化するとの問題は以前より指摘されており、現在の人員増加ペースでは長期経営指針「ND For The Next 2030」の数値目標の達成に向けて、ボトルネックを起こす可能性があると考える。
このため、新設工事では既設につながる高収益の物件をより多く手掛けることで利益ミックスを改善、既設工事ではIoTを駆使したリモートメンテナンスの拡大や脱炭素社会に対応したメニュー提案によって付加価値を高めるとともに、社内も施工現場も全社的にデジタル化を推進して作業効率や労働生産性を現状以上に向上させる必要があると思われる。
但し、最も効果があるのは採用と育成で、今後は30人以上の採用を継続するとともに、現場への負担が大きいOJTに加えて本社研修を拡充する方針である。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

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