[5日 ロイター] - 米国株式市場は米国債利回りの上昇と原油高に圧迫され、下落して終了した。ダウ工業株30種が主要指数の下げを主導した。
前週は米連邦準備理事会(FRB)のタカ派的な度合いが薄れるとの観測から主要3指数はそろって上昇したが、今週に入りそうした見方はやや後退している。
経済の底堅さを示す指標を受け、米国債利回りが上昇した。米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事は5日、一連の直近データはFRBに利上げの必要性を見極める余地を与えていると述べた。
マーフィー&シルベスト・ウェルス・マネジメントの市場ストラテジスト、ポール・ノルテ氏は「株価が伸び悩んでいる理由には、金利の上昇が続き、株式に代わる良い選択肢を提供していることがある」と語った。
また、このところの原油高がFRBのインフレ抑制への取り組みに水を差す可能性があると指摘した。
S&P主要11セクターではエネルギーが0.5%高と上昇率が最大だった。一時、約7カ月ぶりの高値まで上昇した。サウジアラビアとロシアが現行の自主的な原油供給制限を年末まで延長することが分かった。
景気動向に敏感な素材と工業はほぼ終始、軟調に推移し、それぞれ1.8%安、1.7%安で引けた。金利動向に敏感な公益事業は1.5%下落した。
ダウ輸送株20種は2.2%下落。原油高を背景にした航空株の下げが重しとなった。S&P1500航空指数は2.4%安で引けた。
ユナイテッド航空は2.5%安で終了。一時、4.7%下げる場面もあった。システム全体の技術的な問題により、1時間にわたって運航が停止された。
S&P総合500種への採用が決まった民泊サイト運営大手エアビーアンドビーと大手投資会社ブラックストーンはそれぞれ7%、3.6%値上がりした。
ソフトウエア大手オラクルは2.5%上昇。バークレイズが投資判断を「イコールウエート」から「オーバーウエート」に引き上げた。
ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を3.31対1の比率で上回った。ナスダックでも2.28対1で値下がり銘柄が多かった。
米取引所の合算出来高は95億4000万株。直近20営業日の平均は102億6000万株。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 34641.97 -195.74 -0.56 34843.22 34871.26 34635.63
前営業日終値 34837.71
ナスダック総合 14020.95 -10.86 -0.08 13994.54 14060.85 13945.65
前営業日終値 14031.82
S&P総合500種 4496.83 -18.94 -0.42 4510.06 4514.29 4496.01
前営業日終値 4515.77
ダウ輸送株20種 15488.72 -346.86 -2.19
ダウ公共株15種 851.44 -15.22 -1.76
フィラデルフィア半導体 3683.79 +0.96 +0.03
VIX指数 14.01 +0.19 +1.37
S&P一般消費財 1336.36 -1.16 -0.09
S&P素材 516.63 -9.50 -1.81
S&P工業 902.08 -15.50 -1.69
S&P主要消費財 751.36 -6.29 -0.83
S&P金融 569.76 -5.51 -0.96
S&P不動産 229.60 -2.20 -0.95
S&Pエネルギー 694.76 +3.37 +0.49
S&Pヘルスケア 1538.28 -14.67 -0.94
S&P通信サービス 228.58 +0.10 +0.04
S&P情報技術 3140.43 +12.22 +0.39
S&P公益事業 311.22 -4.88 -1.54
NYSE出来高 8.72億株
シカゴ日経先物9月限 ドル建て 33110 + 140 大阪比
シカゴ日経先物9月限 円建て 33110 + 140 大阪比