Ritsuko Shimizu
[東京 8日 ロイター] - SOMPOホールディングスは8日、損害保険ジャパンの白川儀一社長の辞任を発表した。SOMPOHDの国内損害保険事業オーナー執行役も辞任する。大手中古車販売のビッグモーターによる保険金の不正請求問題で引責辞任した。一方、桜田謙悟グループCEO(最高経営責任者)は、自身の進退について、事実関係の解明を進めている調査委員会の報告を待つとの考えを繰り返した。
損保ジャパンは、ビッグモーターとの取引を不正な保険金請求の疑義があるとして停止していたが、2022年7月に再開した。白川社長は、取引再開という経営判断ミスで信頼を失ったと話し「社内外から失った信頼を回復させるためには、まずは進退を明らかにすることが経営者としての責任と考えた」と説明した。取引再開は、再発防止策の実行を条件に、取締役会での議論を経ずに決めたという。
辞任時期は、調査委員会の調査への協力、後任への引き継ぎが完了した時期とし、今後決定する。同社は、8日付で石川耕治グループCERO執行役常務を代表権のある副社長に昇格させ、再発防止策策定を含めて経営のかじ取りを行うこととした。
桜田グループCEOは、経営責任全般について「調査委員会の報告書を踏まえ、指名委員会・取締役会で議論の上、明確にする」と述べた。
辞任を表明した白川社長は、22年4月に社長に就任した。ただ、ビッグモーターとの取引は1998年に始まり、04年からは出向を開始するなど、長く続いている。持株会社で長く経営のかじ取りを行ってきた桜田氏の責任、進退に関して重ねて質問が出たが「責任はなしとはしない」としたものの、進退については「調査委員会の報告が出ていない」として、調査委員会の報告書、指名委員会の判断を待つと繰り返した。
桜田CEOにビッグモーターの不正疑義について最初に報告があったのは、22年8月31日だったという。
SOMPOHDは今年8月に弁護士らによる社外調査委員会を立ち上げ、事実関係の解明や原因の分析などを行っている。また、連結業績に与える影響については、調査委員会の結果を踏まえ、判明次第、公表する方針としている。
鈴木俊一財務相兼金融担当相は5日の会見で、損害保険ジャパンとビッグモーターに対して保険業法に基づく立ち入り検査の実施を通告したことを明らかにしている。